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AIや機械学習の世界でサンプルデータの拡張/水増しをすることは常識のようになっているが、統計学的にも倫理的にも腹落ちしない場合がある。人間、つまりデータサイエンティストの主観やセンス、モラルが入る余地が大きすぎるような気がするのだ。学生ローン申請をサポートする米国のスタートアップがデータサイエンティストを雇い架空の学生400万人を捏造させたという事件は、極端な例だが上の「倫理的責任」を浮き彫りにしている。

AIや機械学習の世界でサンプルデータの拡張/水増しをすることは常識のようになっているが、統計学的にも倫理的にも腹落ちしない場合がある。人間、つまりデータサイエンティストの主観やセンス、モラルが入る余地が大きすぎるような気がするのだ。学生ローン申請をサポートする米国のスタートアップがデータサイエンティストを雇い架空の学生400万人を捏造させたという事件は、極端な例だが上の「倫理的責任」を浮き彫りにしている。

現在新作の配信準備中で、米アグリゲーターのチェック(検品)を待っている。このプロセスで問題があって作業が滞った事はあまりないが、以前、全てのDark Modelのアートワークの左下に入れている「闇」という漢字のロゴをあちらのスタッフが勘違いして、「アートワークにQRコードを入れてはいけません!」と注意されたことがあった。こういう信じがたいヒューマンエラーが起こると、この手の事務・確認作業はもはやAIにお願いしたいなと思ったりする。

アメリカの食料事情を知ったお陰で、日本の状況についても考える機会が増えた。漁獲枠を巡ってしばしばニュースでも取り上げられるマグロ漁業についてのドキュメンタリーが放送されたというので、オンデマンドで見入っていたら、突然自分の曲(OE『Patterns of Passion』)が。耳に意識がジャンプしてしまってマグロが視界から消えた(笑)。音響効果担当の方、良質な番組で選曲して頂いてありがとうございます。

今でこそ「必要ない情報を排除していかに目の前の活動に集中できるか」、つまり「ゾーンに入る」ことが大事だと考えているが、若い頃は「瞬時に沢山の情報を処理し、状況判断ができること」が優秀さだと思っていた。入力する情報や判断を減らすことは「強み」になる。無知とシンプルは別物だけれど、知性がシンプルに考えることを妨げるのだとしたらそれは「弱み」でしかない。競争や多様性を問われる世界では、ハイコンテクストな「複雑さ」は足かせになる。

Guardianで傑作『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』の凄まじく的外れな評論に対してコメントが沢山寄せられていたのだが、それらがとても的確で感心した。「カンフー&マルチバース!」みたいな触れ込みで見てしまうと、移民・離散体験と縁のない人には全然ピンと来ない、単なるドタバタ映画に見えるだろう。アジア人がアメリカで移民として生きていくこと自体が、目の前の現実を疑いたくなる位に混乱の連続で、既にマルチバース的なのです。

英語のポッドキャストを聴いていて、テキストで内容を確認したい時に文字起こしが必要になることがある。Adobe Premiere Proに「自動文字起こし機能」があると知って早速試してみたら、驚くほど正確にテキスト化してくれた。発音のリダクションが多いアメリカ人英語のリスニングにはある程度慣れているが、南部出身の人が「インセネフィ」と連呼するのが聞き取れなくて困ってたら、なんと”incentive fee”(インセンティブ・フィー)だった。

ふと興味が湧いてサイバーセキュリティの本を何冊か読んでいる。「フールプルーフ」というのは言わば「ポカ防止」、つまり誰かがミスをしても致命的な状態に進展しないような仕組みを設計すること。ただ、ヒューマンエラーというのは人間の想像を超えたとんでもない角度やレベルで起こる。ということを僕も少し前に思い知らされたが、最近のホワイトハウスは「フールプルーフ」ではなく「プルーフ・オブ・フールズ(愚か者達の証し)」と化してきた。

社会や組織のルールに従わないと制裁を受けたり反発にあうが、自分で作ったルールに関しては、それに従わなくても誰も困らないしすぐに何か悪いことが起こったりもしない。その分、自分の「鉄則」や「システム」を作り、それらに忠実でいるというのは訓練が要るし、実現が難しい。鉄則の作り方は学校では教えてくれないし、むしろ学校や社会はそんなものを各々に作られると困ると思っているかも知れない。なんて書いてたら、ふとこの曲がよぎった。

ダニエル・カーニマンの研究成果を礼賛し、話題にする人は日本にも多い。僕は人間の行動心理のパターンをさも誰にでも当てはまるかのように「〇〇理論」と名付け、知識として「お勉強」する風潮は、全然科学的ではない行為だと思っている。まず実験の再現性が低いことに加え、アメリカ人を被験者にした実験が日本人にもあてはまるかの検証を誰もしていない。こういう確証性の低い”理論”を「マーケティングの道具」として得意気に説くのは小賢しく、罪深い。

Findingsのランキングに時折懐かしい投稿がランクインしてくる。今から20年近く前の2006年に「1982年はエレクトロニック・ファンク豊作の年」だと書いた投稿が昨日5位に入っていた。自分で書いたのも忘れていたけど、確かに1982年はファンクだけでなく様々なジャンルから良い音楽が沢山生まれた年だった。僕はまだ中学生だったが、あの頃こういう音楽を聴いて踊っていた日本の大人達は今どうしているのだろう。

アルバム2枚分26曲のミックスダウンが終わりました。収録曲が2曲増えたので予定よりも数日延びましたが、かなり順調に作業出来たと思います。自分ための作品作りを最優先に取り組み、この10年で40枚近くのアルバムをModel Electronicからリリースしました。人生をさらに実りあるものにするために、今後は制作を続けつつ音楽以外の分野の勉強にも力を注ぎたいと思っています。

コンピューターやPro Toolsがロックをダメにしたという意見は昔からある。2000年前後、知り合いのアーティストがProToolsで仕上げた音源をマスタリングスタジオに持ち込んだら、ベテランのエンジニアが「何だ、Pro Toolsか」と音も聴かずに嫌悪感を示したというエピソードを思い出す。僕の場合、コンピューターやPro Toolsがなかったら現在の自分は100%存在しない。新しい技術は難癖をつけるよりも、付き合い方、使い方を考える方が得策。

昨日Googleが4.8兆円で買収を決めたスタートアップWizは、イスラエル国防軍の諜報部隊「ユニット8200」のOBが作ったサイバーセキュリティ会社。スタートアップといっても彼等は以前アダロムというテック会社をマイクロソフトにも売却した強者。地政学リスクが高まる中でイスラエル周辺の動きがますます重要かつ脅威となってきたことは明らかだが、国防、政治、経済、技術の各分野で国と企業の利害関係がスパゲッティのようにこんがらがってる。

日本にはエンターテインメントや娯楽はあるが、軍事力はさておき、資源、エネルギー、食糧、そして将来を担う人材が絶望的に足りない。日本国籍を持ち、長らくエンターテインメントの周縁にいる自分が、そんなことを考える頻度が増えた。僕らは人や国としての死活問題そっちのけで娯楽やカルチャーを謳歌しすぎていたのだろうか。皮肉なことに、僕らが多くを学び吸収してきた海外諸国は、そういった問題にもぬかりなく取り組んでいたのだった。

数多くの賞を獲得した映画『ブルータリスト』の監督は、実は1ドルもギャラをもらっていないという。これは周知の事実だが、スーパーボウルの出演料がゼロな事もよく話題に上る。僕はパスだけど、かつてはアーティストが売名や将来の大きなチャンスを期待して「プロモーション」という名の下に無償で仕事を引き受けるのは半ば常識だった。問題なのは、その見返り(ビジネスモデル)が消滅しつつあるのに、自らタダ働きを選択し続けていること。

僕は人に比べて内耳が敏感らしく、聴覚過敏気味なのはまだ許容できるものの、気圧の変化に弱い。雨の多い多湿な季節や東南アジアのような温暖湿潤な気候、高山や高層マンションの様な海抜の高い場所では、この特性がマイナスに働くような気がする(検査はしていない)。気候的には西海岸やハワイが理想的だけど、米国で運転要らずのエリアは当然賑やかで騒音の問題が深刻。図太く生きてるつもりが、耳が繊細さんだった。
