最新アルバム「Saga」に収録されている「Inferno Suite」は、複数の短い音楽ドラマのシーケンスで構成される、「組曲」として作曲されました。私がこの曲のラフなアイデアを思い付いたのは、「Saga」プロジェクトに取り掛かるずっと前だったのですが、各パートの構造をより強固にして、合わせて一つのテーマを持った楽曲、すなわち「ストーリー」に仕上げるまでには多くの時間を必要としました。この楽曲の中でストーリーがどのように展開していくかを楽しみながら聴いて頂けると嬉しいです。
ちなみに、この曲のタイトルから多くの方は、私がダンテ・アリギエーリの「神曲」の一部「インフェルノ(地獄篇)」(もしくはダンテの影響を受けたダン・ブラウンの「インフェルノ」)にインスパイアされたのだろうと考えたかも知れません。しかしながら、少し奇妙に聞こえるかも知れませんが、私がこのインフェルノという言葉を聞いて最初に思い浮かべるのは、そのどちらでもなくて、1974年のパニック映画「タワーリング・インフェルノ」と、1977年に一世を風靡した映画「サタデーナイトフィーバー」でフィーチャーされたザ・トランプスのディスコヒット「ディスコ・インフェルノ」なのです(「Inferno Suite」が音楽的に影響を受けたという意味ではありません)。どちらも子供の頃の自分にとって強烈な印象を与えた、70年代のアメリカン・カルチャーを体現する作品でした。私がダンテの「神曲」の存在を知ったのはそれからずっと後のことです。
下記にこの曲を説明した幾つかのレビューを紹介します。音楽と共に楽しみ下さい。
「次のトラック『Inferno Suite』はコーラル(合唱)から始まり、この曲のダークな雰囲気にリスナーを引き込む。激しく速いビートが、楽曲全体のラディカルで壮大な構造の根底をなすテンポを作り上げる。オーケストラのアレンジに支えられたエレクトロニックなビートはエネルギッシュな躍動感を与え、多重コーラルによるハーモニーの効果をさらに増幅させている。」
「我々のヒーローは邪悪と戦い、囚われた人々を救い、そして勝利を持って帰還するために旅に出た。重厚なクワイアは、彼らの冒険の旅がどれほど陰惨で激しいものかを強調する役割を果たしている。」
「『Inferno Suite』は壮大なクワイア(合唱)とエレクトロニック・ベースが最高潮に達する曲だ。ワークアウトする人であれば、この曲を聴けば誰でも簡単にさらに数マイルを稼げる位に高揚させられるだろう。」
「ノルウェーのブラックメタルバンド、ディム・ボガーと、1982年のアダム・アントが出会ったらどんな音楽になるだろう?そんな例えが私の脳裏に浮かんだ。」
(※この例えにあるディム・ボガーというバンド、私はこのレビューを読むまで知りませんでした)
BPM: 135 (Various)
Keywords: クワイア、組曲、アップテンポ、ドラマティック、ダーク、ヘヴィ、世紀末的、インダストリアル、パーカッシブ
Composed and produced by Tatsuya Oe
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