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ドラムラインの音源は、残念ながら先日紹介した映画「Drumline」のサントラ以外、一般販売されているものは少ないように思います。下のビデオの様に有名な曲をドラムライン・アレンジでカバーすることでよりアクセスしやすい音楽に仕立てることも出来るでしょうし、Youtubeでの盛り上がりなどを見る限りは決してリスニング・ミュージックとしても需要がないとは思わないのですが、こういった音楽をパッケージ化する感性と体力を現在のレコード会社、レーベルに求めるのは難しいかも知れません(それはエピックな音楽を積極的にリリースするレーベルがまだ少ないのと同じです)。
とはいえ現場は既に熱い。アメリカでは僕のところにも、「(Moment of TruthやHope is Never Goneなどの)Dark Modelの曲を自分の高校のマーチング・バンドで演奏したいので楽譜はないか?」と問い合わせが来る位に、演奏の方での関心も高いです。実際にマーチング・バンドで演奏している方や一部のドラマー/パーカショニストは既にご存知かと思いますが、ドラムラインの楽譜や教材を専門に扱う会社/ショップがアメリカだけでなく日本にもあります。僕は使用したことがありませんが、Native Instrumentsのソフトウェア・サンプラーKontakt(コレクションKompleteに収録)でドラムラインのサウンドを鳴らすことができるライブラリ音源「Virtual Drumline」という商品もあり、SibeliusやFinaleなどの楽譜作成ソフトウェアと連動して使用できるようなので、打ち込みでドラムラインに挑戦してみたい方はTapspaceのウェブサイトを覗いてみると良いでしょう。
米国Tapspace: http://www.tapspace.com/
日本でマーチング・ドラム関連商品を専門的に扱うショップ
ブレーメン: http://www.bremen.co.jp/
ダイナスティ: http://www.dynasty.jp/
ミュージックマート: http://www.mcmt.net/
MIDIに関しては自分で丁寧に打ち込んでいくしかないでしょうが、当然ながらドラムラインはソロ以外は常に複数で演奏しているので、同じリズムパターンでも複数のMIDIトラックを用意する必要があるかと思います(音源自身に1ノートにつきフラムや短めのロールの様な複数のスネア・サウンドが含まれている場合もありますが)。タイミングをずらしたり、あえて手演奏で打ち込んだりしながらリアルな感じを追求してみて下さい。サウンド・エンジニア的な観点で言えば、音が重なってフェイジングを起こさないように位相にもご注意。
最近はオーディオのドラムパターンを解析してMIDIに変換したり、他の音源で鳴らすことが出来る「ドラム・リプレイサー」(紹介記事)のプラグインも市場に出回っていますが、ドラムラインの様な微妙かつ複数で奏でるタイプのパーカッションのリズムパターンを解析するのには適していないと思います。それよりも個人的にお薦めするのは、普段からドラム/パーカッションのルーディメンツ/パラディドルや様々なリズムパターンを教則本やビデオで研究しながら自分で打ち込んで(もしくは叩いて)MIDIファイルとしてストックしておくことです。ドラムキットよりも、カホンのようなパーカッションでリズム・パターンを掴んで再現してみる方がよりお薦めです。骨の折れる作業ではありますが、ドラマー/パーカッショニストの方々のライブ演奏での苦労に比べればまだまだ楽でしょう(笑)。
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