映像と音のシンクロする関係、シンクロしない関係
あるCMのメイキングビデオの音楽を準備をしています。CM本体も音楽(サウンド・デザイン)を手掛けさせて頂いたのですが、緊張感のあるCMに対してメイキングの方はもっとリラックスした雰囲気の映像で、登場人物(タレント、ディレクター)のトークが中心になっているので、「トークを邪魔せず、かつ小気味よく映像を楽しめるような音楽」というのを基準にチョイスしています。本体の方はタイムコードを睨みながらフレーム違わず音をシンクロさせましたが、そういったタイトさ・緊張感が必要とされない場合であっても音楽は鳴っているだけでそれなりに存在感が出てしまうもの。この前の「ニーズ変わればバージョンも変わる」の話に続き、「シチュエーション変われば音楽の意味合いもまた変わる」といったところでしょうか。
シンクロのタイト感と言えば、ゲームのサウンドデザインはその極みの様に思えます。サウンドトラックやスコアも映像とのマッチングが非常に大事ですが、ゲーム、特にアクション/バトル系のゲームのサウンドデザインはCM以上に映像の動きとの一体感、タイトさが必要とされます。この “Need For Speed The Run” のメイキングビデオを見ながら、そんな事を考えていた次第です。
ちなみにこのゲームのサウンドトラックを担当しているのはBrian Tylerです。先日紹介した Clint Mansell とは全くタイプの違う、非常にハリウッド的でオールラウンドな才能を持った作曲家ですね。”Fast & Furious (ワイルド・スピード)” シリーズで一躍有名になりましたが、最近は”Expendables”(iTunes)の様に、ジェリー・ゴールドスミスやストラヴィンスキーからの影響が強く感じられる本格的なスコアも書いています。察するに、仕事の手際が極めて良く、クオリティにムラがない、映画やゲーム業界で重宝される資質を持った方でしょう。
Captain Funk「Version2011」から
myspace のMEページの方に1曲 “Version2011” から “I’ll Be There (Epic Synth Rock Mix)” をアップしました。最近は myspace にログインする機会がかなり減りましたが、音楽を作る人間との相性、一般リスナーからのアクセスのし易さという点ではなかなか良いプラットフォームだったなぁ(過去形になってますが、笑)と思います。何はともあれ、”Version2011″ からの初のフル試聴アップですので、お楽しみ頂ければ幸いです。