惨事と宴(うたげ)、現実と「不思議の国」のパラレルワールド
今年も残すところあと2週間となりました。アメリカではコロナによる死者が毎日数千人に達しており、猛烈な勢いでワクチン接種に取り組んでいるとは言え、まだまだ楽観視できない状況が続いています。だからと言って世の中全体に悲壮感や切迫感が漂っているというわけではなく、サンクスギビング・デイ以降のオンラインセールは活況を呈し、株式市場は更なるユーフォリア(根拠のない陶酔感)に浸っているようにも見えます。惨事と宴会が同時進行で進むこの状況を見ていると、総力戦と言われた第二次世界大戦の時ですら(国中が物資不足にあえいでいた日本とは違い)アメリカはこんな感じだったんだろうか?などと、余計な想像をしてしまうのでした。
この手の話について語りだすと軽く一冊本が書けてしまいますが、アメリカの社会や歴史を論ずることは僕の本業ではないので潔くここでとどめます(笑)。とにもかくにも、この4年(特に今年)の混乱で失ったものを挽回すべく、アメリカの楽観主義が良い方向に成果を導き出してくれることを祈っています。
「多毛作」もしくは「輪作」のすすめ
12/4に発売されたCaptain Funk『Night Music』は楽しんで頂けたでしょうか?僕は夜自宅でワークアウトする時にストリーミングサービスを通じてこのアルバムを聴いています。僕はリリースした後で内容について「この曲はああすれば良かった」とか悩んだり反省することがない性格なので、普通に他のアーティストのアルバムと並行して楽しんでいるところです。創作に向かう人間は少し「おめでたい」くらいが得です(笑)。
アルバムの中で最も気に入っているのは先日公開した「Midnight Express」ですが、ディープハウス、ブギー調の「Night Shift」やピアノをリードに使ったジャズ・ファンク「Stepping Out」、今年夏Youtubeにアップした動画「Summer Mix 2020」(記事下)にも収録されていたゆったりめのハウス「Aquarius」なども同様に好きな曲です。
2020年はOE『Suchness』、Dark Model『Epic Orchestral Electro Mix』、Captain Funk『Night Music』、そして放送業界関係者向けの2枚のアルバムと、合計5枚のアルバムを制作しリリースすることが出来ました。昨年も5枚リリースだったので、コロナ禍に見舞われた状況の中で生活している割には生産的に仕事が出来たのではないかと思います。
現在次の作品のアイデアを練っている最中ですが、来年もCaptain Funk, Dark Model, OE3つのプロジェクトを並行して行っていくことには変わりありません。一つの名義活動だけに縛られるのではなく、複数のプロジェクトを農業の「多毛作」や「輪作」のように進めていくというスタイルは、自分の創作上のアイデンティティだけでなく精神的な健全さを保つ上でも大いに役立っています。
ちなみにウィキペディアでの「輪作」の説明は
「栽培する作物を周期的に変えることで土壌の栄養バランスが取れ、収穫量・品質が向上する。これにより、連作での病原体・害虫などによる収穫量・品質の低下の問題を防ぐことが出来る。」
なんか分かるような気がします。
少し早いですが、皆さんも充実した年末年始をお過ごし下さい!