日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2023年9月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2023年9月30日
体を揺らしたり、跳ねたりといった行為は、感情に任せ自分を解き放つ、ごく自然な身体表現。欧米で「ダンスミュージック」と言えば、聴く側が思いのままに踊るための参加型音楽であって、主役はオーディエンス。日本でダンスミュージックというと、パフォーマーが振りをつけて踊るための「舞曲・伴奏」的な意味合いが強いようにも思うが、祭りや阿波踊りの「音頭」や「囃子」は脈々と続く、れっきとした参加型グルーヴ。
[祭りBGM】日本の祭り 神田囃子 - YouTube
2023年9月29日
本日、Captain Funk『Heavy Mellow (Deluxe Edition)』がリリースされました。日本やアジアの各ダウンロード/ストリーミングサービスのリンクをTopicsのページに掲載したので、ご参照下さい。アメリカやヨーロッパのサービスは明日掲載します。2007年リリースのオリジナルアルバムを聴いてくれていた方は懐かしく、初めての方は新鮮に楽しんで頂けるのではないかと思います。
Heavy Mellow (Deluxe Edition) - CAPTAIN FUNKのアルバム - Apple Music
2023年9月28日
OE名義でのタツヤの楽曲『Mobius』が、アパレルブランド Prada(プラダ)のインスタグラム動画でライセンス使用されました。ログインしていなくても見られるので、是非チェックしてみて下さい。明日はCaptain Funk『Heavy Mellow (Deluxe Edition)』の発売日です!
Prada on Instagram
2023年9月27日
その昔UKパンクやニューウェイブ好きの連中は「TOTOみたいに、見た目がクールじゃないアメリカのバンドは聴かない」と言っていた。言わんとすることはよく理解できたが、作品の耐久力やパフォーマンスの安定感を含めて、音楽家としてのプロ意識がずば抜けて高い彼らは、時の試練を経て、今も上質なステージを世界中に届けている。僕の40年来のフェイバリットは、ファンにはあまり注目されなさそうな、R&B色の濃いこの曲。
Toto - Waiting for Your Love - YouTube
2023年9月26日
ヘルマン・ヘッセは『ツァラトゥストラの再来』というエッセイでこう語る。「人は人と交わり、割り当てられた日々のタスクに身をささげる方が楽だ。運命を選べないように、孤独も選べない。だが心の中に運命を引き寄せる”魔法の石”を持っている人には、孤独がやって来る。自身の運命に導かれた、あなたならではの孤独の恵みに感謝しなさい。」孤独って座敷わらしのようなもの?
Hermann Hesse : The Path of Solitude
2023年9月25日
我々が現実と認識しているものから、喜怒哀楽まで、全ては自分の脳が作り出したアウトプットに過ぎないという話がある。その「作り出し方」をコントロールする技術が向上すれば、アウトプットもおのずと変わるはず。同じ食品のカロリー表示を変えるだけで、食欲ホルモンの増減が大きく異なったという心理実験がある。「脳を騙す」という表現は好きではないけど、プラシーボ(思い込み)って思った以上に大きい。
A Milkshake Experiment - YouTube
2023年9月24日
昨日触れた「マインドフルネス」に関しては瞑想・ヨガや食事にまで広がり、本質よりもスタイルが先行している感がある。座禅や腹式呼吸で「頭を空っぽにする」のも一つの「集中」だが、運動やダンス、楽器演奏や勉強など、フィジカルなアクションを通じてわき目も振らずに集中する「イン・ザ・ゾーン」の習慣を確保することの方がずっと大事で、自然な行為だと思う。後者は「成長」や「達成」、時に「感動」も手に入る。
ビーストモードに突入したハービー・ハンコック - YouTube
2023年9月23日
ウォーキング中は基本的に「マインドフルネス」な状態なのだが、たまに余計な事を思い出したり邪念が浮かぶ(まあ普通そうだよね)。なので2桁の掛け算の暗算を盛り込むことにした。83×29とか、素数同士のあえて面倒なのを選んで暗算しながら早歩きをするのだが、意外と手間取るので全然邪念が入ってこない。インド式暗算を使うと簡単に出来る半面、また邪念がスルっと入ってくる(笑)。
革命的掛け算(2桁×2桁)のやり方を伝授します【インド式】
2023年9月22日
“Jack of all trades, master of none(多芸は無芸/器用貧乏)”という言葉は誰でも知っている。このことわざは多才な人に対してどうしてもマウントを取りたい凡人が編み出した、嫉妬から生まれた言葉だと思う。このCory Henryのライブを見ていてそんな事がよぎる。彼は何をやっても、音楽的に実にサマになる。彼をけなす輩がいたとすれば、それは彼の努力を伴った多様性への嫉妬でしかないだろう。
Cory Henry - Live At The Piano | Apogee Sessions - YouTube
2023年9月21日
生きていると、ショックのあまり涙も出ないくらい悲しい事や、地球ごとひっくり返したくなる位に腹の立つ事が起こる。特に、自分に原因がなく引き起こされた不条理、苦難、事故ほど辛いものはない。そんな時自分をさらに不幸にしないために必要なのはレジリエンス(心の回復力)やアンチ・フラジリティ(反脆弱性)。レジリエンスの専門家ホーン氏の、自身の家族を失った悲劇を交えたこのスピーチは、痛烈に心を揺さぶる。
心のレジリエンスを高めるための3つの秘訣 | TED Talk
2023年9月20日
『かもめのジョナサン』より。「ジョナサンは、カモメの一生があんなに短いのは、退屈と、恐怖と、怒りのせいだということを発見するに至った。そしてそれら三つが彼の心から消え失せたら、実に長くて素晴らしい生涯を送ることとなった。」退屈と恐怖は大丈夫(笑)。怒りは人間にとって必要な本能だが、適切に使えるようにマネジメントすることが、結局は自分の幸せに繋がるんだと思う。それにしても不思議な物語だ。
かもめのジョナサン - リチャード・バック/五木 寛之 | Amazon.co.jp
2023年9月19日
この3日ほど、15年前に作った曲をテコ入れしている。作業の途中でなぜか一部のトラックの音の位相が狂ってフェイジング(揺れ)を起こし始めた。原因は複数あったのだが、自分の過去の作業スタイルをすっかり忘れていることも、究明にてこずった理由の一つ。人は未来の自分を別人の様な存在だと考える傾向があるらしいが、過去に関しても「15年前の自分は、十分に『別人』」ということだと思う。
他人の顔/安部 公房 新潮文庫 | Amazon.co.jp
2023年9月18日
英語圏では「フェアネス(公正さ)」という基準がとても重要で、自分もよく使う。公正と「平等」は全然違う概念(逆な事すらある)だが、日本では混同されやすい。トラブルの多い会社や組織は、「手続き的公正」の意識が低い事が多い。結論の善し悪し以前に、物事の進め方が独善的で、「相手や外部に耳を傾ける」というプロセスの大事さに気付かない。世間を騒がせている不祥事や訴訟は、殆どこれに該当するのでは?
平等ではなく公正に “フェア”マネジメントがチームを変える| 島津製作所
2023年9月17日
20歳の頃だったか、オルガン・ジャズのレコードを片っ端から集めている時期があった。Jimmy Smith, Jack McDuff, Rhoda Scott, Charles Earlandらを筆頭に、あまたのクールなアメリカ人演奏家がいるのだけれど、彼らに匹敵する位によく聴いたのは、ビバップでもジャズファンクでもない、ブラジルのウォルター・ワンダレイだった。その後、この曲が収録されたCDを母親が持っていてビックリ。
Walter Wanderley - Call Me LIVE - YouTube
2023年9月16日
自分のプロジェクトはどれも愛着があるけれど、数年前に始めた『Suchness』プロジェクトが今は特に気に入っている。理由は、聴いていて自分の気持ちがとても落ち着くから(笑)。散歩の時も、夜の読書の時も、この2枚のアルバムを流すと、スッと心が「安らぎゾーン」にフォーカスされていく。僕はいわゆる「癒し系」の音楽には無縁なのだけれど、この音楽は自分にとって心の座禅の様な役割を果たしてくれる。
OE – Winter Mountain - Suchness
2023年9月15日
マーク・トウェインは「学校に学びの邪魔をさせるな」と言った。僕も小学校時代、学ぶどころか、「連帯責任」の体罰や居残りで自分の勉強時間が確保できず苦心した記憶がある。本当に向上心や問題意識があるならば、義務教育の「勉強ごっこ」に早めに見切りをつけて「独力で学び、考え、行動」すべし、とアインシュタインはじめ多くの賢人も語る。履歴書にも「独学欄」を作れば良いのにね。
What Einstein, Twain, & Forty Eight Others Said About School | Mission.org | Medium
2023年9月14日
そば、それも鴨南蛮を無性に食べたくなる時がある。鴨肉(ダック)を買って自宅でも作るし、お店でも十中八九鴨南蛮を注文する。ところで、東京にはそば屋が沢山があるが、自分が幼少の頃いた広島や福岡、関西はそれほどでもない、というのをつい最近知った。長年行っていないけど、「箱根そば」とか「ゆで太郎」とかの立ち食いそばチェーンって全国どこにでもあるわけじゃなかったのか…(で?)。
都道府県別そば屋店舗数 - とどラン
2023年9月13日
「Never Fight A Land War In Asia(アジアで地上戦をするな)」という諺があることは日本で殆ど知られていないように思う。「手に負えないほどの複雑さや規模に取り組むな」という、WW2以降に伝播した比喩らしい。壮大な目標よりも、まず手を付けやすい、勝てるところから征服するというのは大事。ただ、「空からなら勝てる」という判断に基づいて引き起こされた過去の惨事を考えると、複雑な心境。
never fight a land war in Asia - Wiktionary, the free dictionary
2023年9月12日
「餅は餅屋」という諺があるけれど、プロフェッショナリズムや職人気質がいつも功を奏するわけでもないし、素人のまぐれや馬鹿力が市場に風穴を開けるゲーム・チェンジャーになることだってある(この曲)。大事なのは、それが再現性や耐久性のあるプロの仕事なのか、肩書や権力にものを言わせただけなのか、時や人の流れに乗った一過性の幸運なのかを見極める「こちら側の」眼力。どれも成功は成功。
Althea & Donna - Uptown Top Ranking - YouTube
2023年9月11日
毎日5種類以上の同じ野菜を食べる。中でもブロッコリーとアボカドは好きすぎて、自分で育てた方がいいんじゃないか位に思うのだけど、ブロッコリーはまだしも、アボカドはベランダや庭で簡単に育てられるような類の野菜じゃない。しかも実がなるまで5年から15年…。その間に200曲は余裕で作れそうだ。ところで、自分の作品の数やバリエーションを増やすのは、農園・庭園を育てるのと共通点があるように思う。
Mary Lou Williams - It Ain't Necessarily So - YouTube
2023年9月10日
タクシーの音楽の話に続いて、今日はラジオの話を。この数か月、起床時とお風呂の時はいつも決まって同じ、イタリアのGoodfellas Music Stationというラジオ局の音楽を聴いている。James Brown タイプのファンクを中心に、硬派でワルなソウル、ジャズが選曲され、「えっ、そっち行くの?」という残念な瞬間がない。毎日JBの雄叫びを聴いてランニングしていれば、少なくとも気分は無敵。
Goodfellas Music Station - Funky, soul, disco & jazz mixed Italian style
2023年9月9日
日本でタクシーの運転手が自分の好きな音楽をかけっ放しにすることはまず考えられないが、海外では運転手の「選曲」の個性を味わうのも乗車の楽しみの一つ。これまでの経験では、パリのタクシーはファンク、ディスコ、ハウス、NYではR&Bからインド、アラブ音楽(=故郷の音楽)まで、西海岸ではロック、スムース・ジャズ、ハワイではトラップにハワイアン等々。それにしても、みんな音量がデカイ。
Hawaiian Music - Kaukahi- Life In These Islands - YouTube
2023年9月8日
その昔、ヴァン・ヘイレンの楽屋用ライダー(要望リスト)の中に「茶色の m&m’s を入れるな」というのがあったらしい。それは彼らの子供じみたリクエストではなくて、実は興行主が彼らのツアー契約書をちゃんと読んでいるかどうかを確かめるための「アラーム」だったと。デイブ本人の証言もある深イイ話なのだけど、いずれにしても、当時の業界で契約書の精読を期待するのはまず無理だったかも(爆)。
David Lee Roth tells the story behind the "no brown M&Ms" legend - YouTube
2023年9月7日
“When you judge others, you do not define them, you define yourself.” 他人を安易に裁く(白黒つける、枠にはめる)ことは、結局自分がそういう独善的な人間だと公言しているようなものだということ。厳しいお言葉(笑)。今はネットのお陰で、世界は有史以来のジャッジ合戦で溢れかえっている。リンクは、そこから距離を置いて前向きなヒントをくれる名言集。
80 Thought-provoking judgmental quotes | Everyday Power
2023年9月6日
毎日次のアルバム作業に取り組んでいて、今折り返しくらいだろうか。この後のミックスダウンで毎回苦労するのだけど、まずまずスケジュール通り順調にやっています。昨日と打って変わって、今日はミュージカルを。この『雨に唄えば』の”Make’em Laugh”のシーンは通算100回位は見たと思うが、この神がかりな演技の主ドナルド・オコーナーは、実は撮影中ケガや打撲で病院通いだったというのを最近知った。
Make 'Em Laugh (1952) - YouTube
2023年9月5日
見るのに毎回「心の準備」が必要な映画というのがある。僕の中では小林正樹監督、仲代達矢主演の『切腹』がそれ。日本でも繰り返し見たし、アメリカでは仲代さん本人が参加する映画フェスに足を運んだほど好きな作品だが、毎回こちらのはらわたをえぐられるような重たさが残る。日本社会に対する痛烈な風刺も感じられ、僕には全然時代劇に見えないのが、よりしんどい。でも見ちゃう(笑)。
映画「切腹」劇場予告 - YouTube
2023年9月4日
冬はともかく、夏にNYの北にある美術館 Dia:Beacon を訪れるのは最高の体験になると思う。僕が好きなドナルド・ジャッドの実際の作品に初めて触れることが出来たのはここ。そういえば、草間彌生さんの著書「無限の網」には、自分のスタイルの確立に苦悩していた駆け出しの頃のジャッドと草間さんのエピソードが色々と紹介されていて、今でも読み返すことがある。
Untitled | Collection | Art | Dia
2023年9月3日
2020年に開始した、環境音楽/アンビエント・ミュージックに特化したOEのプロジェクト『Suchness(サッチネス)』のためのウェブサイトをオープンしました。追って内容を充実させて行きますので、ご期待下さい。トップページのビデオと楽曲は数時間おきに変わるようになっているので、時折訪ねてみてもらえると嬉しいです。
Home of Tatsuya Oe’s Ambient Music Project - OE - Suchness
2023年9月2日
健康ネタ続きで恐縮だが、元サイクリストのダン・ビュイトナー氏は長寿の研究家として知られ、旅行記から料理のレシピまで沢山の著書がある。彼がイタリアのサルデーニャ島から沖縄まで長寿で名高いエリアに赴き、その秘密を探るという番組がネットフリックスで始まった。健康や長寿に関しては正解なんてないけれども、ストレスを減らし、体を動かし、食はそこそこ、という3点に異論のある人はいないだろう。
Live to 100: Secrets of the Blue Zones | Official Trailer | Netflix - YouTube
2023年9月1日
悲しみやネガティブな出来事にどう対応するかについてのアドバイスは巷に山ほどあるが、楽しいことや嬉しい気持ちを思う存分に「味わう(savor)」にはどうすればいいかについてのアドバイスは意外と少ない。それを研究テーマにしている稀有な教授がシカゴのロヨラ大学にいる。この紹介記事によると、一番のコツはその喜びを「あなたにとって大切な人と分かち合う事」。SNSでシェア、ではないようだ。
10 Steps to Savoring the Good Things in Life