日々掲載しているマイクロブログを月別にまとめたページです。今回は2021年9月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2021年9月30日
長らく住んだ灰色の空の街を離れ、青空の広がる景色の良い場所に住まいを移した。この環境の変化が創作の新たな活力になればと願う、アメリカ生活9年目の秋。
2021年9月28日
日本を離れてから「承認欲求」という言葉をよく見聞きするようになった。自己顕示や自己正当化と似て非なるこの言葉、受動的なニュアンスが強い分、さらに耳心地の良くない言葉に聞こえる。そもそも人の幸せや生きがい、達成感というものは、他人に「認めてもらう」まで待たないと得られないものなのだろうか?
2021年9月27日
最近久々に『Heavy Metal』『Heavy Mellow』を聴き返す機会があった。今聴くと粗削りな部分はあるが、よくこれだけアイデアを詰め込んで一気に二枚も仕上げたなと我ながら驚かされる。創作にとって「勢い(モメンタム)」は洗練よりも大事な時があるように思う。
2021年9月25日
Dark Model『Saga』を制作していた頃、メトロポリタン美術館の甲冑を展示した部屋にしばしば立ち寄った。西洋のものだけでなく、日本の戦国武将の鎧(よろい)も展示されているというのは何だか誇らしい感じがしたのを覚えている。現在この本はMETのウェブサイトでDL出来ます。
https://bit.ly/3zJ7TyJ
2021年9月24日
「クリエイティブとは何か」については誰もが饒舌に語るのだけど、創作をビジネスという観点から見ると「オーナーシップ」という概念が実はとても重要。「誰のお金でそれを作り、市場に流したのか?」を軽視して創作に関わることは、クリエイティブでない作品を作るよりもずっと、キャリアにとって危険だと思う。
2021年9月23日
「リスク」と言われるものの実態は事実やロジックに基づくものではなく、感情(恐怖・不安・敵意など)や認識のバイアスから来る「心の闇」のようなもの。そう考えていたところに、面白い本に出会えた。感情が過大評価されがちなこのご時世、一家に一冊。
「ゼロリスク社会」の罠| Amazon.co.jp
2021年9月22日
映画音楽の世界ではサウンドデザイン的なスコアが主流になり、残念なことに明確な旋律のあるテーマ曲をフィーチャーした作品が減っている。メロディやハーモニーは映像を引き立てることもある反面、映像を壊すリスク要因にもなりうる。スタジオがますます冒険をしなくなっているということかも。
2021年9月21日
いつの間にか猫も杓子も採用しているサブスクリプションという請求形態。日本の状況は分からないが、アメリカでは引き落としのサイクルを勝手に変更したり、「契約はネットで瞬間で出来るが、解約は電話しか受け付けない(しかも繋がらない)」など不誠実な仕組みにするサービスが多いので要注意。
2021年9月19日
かなり前に読んだが、人間はもはやアルゴリズムやボットといった「機械」に気に入ってもらうように自らをマーケティングするようになった。という現代の悲哀を正直に指摘した珍しい本。集合知への批判も含めて、アメリカのテック畑で同様の批評が出来る気骨ある論客はジャロン・ラニアーくらいか。
川上量生 - 鈴木さんにも分かるネットの未来| Amazon.co.jp
2021年9月18日
レタス、セロリ、にんじん、トマト、きくらげ、アボカド、枝豆、カシューナッツ、そしてツナもしくはチキン。これをお皿に大盛りにして毎朝6時に食べる習慣がこの数年続いている。体調を見ながらサラダの中身を少しづつ入れ替え、今のセレクションはほぼ自己ベスト(笑)。
2021年9月17日
仕事の成果や人間関係を考える時に物理の力学がヒントにならないか?とよく考えるのだけど、量子力学のような現代物理まで領域を広げると複雑すぎてメタファー(喩え)として使えなくなってしまう。程よいところでアイデアの参考になるような都合の良い本はなかなかない。
学びなおすと物理はおもしろい』| Amazon.co.jp
2021年9月16日
停電でこの数週間取り組んでいた制作データが吹っ飛んだが、結局それらの曲は作らなくても良かった曲なのだと前向きに解釈する(笑)。むしろ新しいアイデアにゼロから取り組む機会を与えられたのだと感謝すべき。こういうのを「塞翁が馬」というのだろうか。
2021年9月15日
徒歩で往復1時間半ほどのところにある運動公園でリラックス。以前は毎日の様にセントラル・パークまで歩いたが、今は喧噪を離れ、広大な池を擁したこの公園の方がずっとしっくりくる。学生の頃しばしば訪れた砧公園を思い出す。
2021年9月14日
日本の旧友から『Sail and Cruise』をとても気に入ったという感想をもらった。プロの評論家でもある彼の耳は昔から信用しているので、素直に嬉しい。僕もワークアウトの時に聴いています。最近はPart2派。
https://s.tatsuyaoe.com/3hwL5fs
2021年9月12日
晴天の日曜日の真昼間に突然停電が起こるとは。普段使っている無停電電源がこういう時に限って作動せず、制作用の一番大事なパソコンがご臨終。この程度のトラブルはヒューマン・エラー大国のアメリカでは日常茶飯事なので、ひるまずリカバーに取り掛かるのみ。
2021年9月12日
「学校の外で学ぶこと」に加えて、「インターネットの外で学ぶこと」がますます重要になってきているように思う。それ以前に「インターネットの外”を”学ぶ」必要があることも。
The Shallows: How the Internet Is Changing the Way We Think, Read and Remember』| Amazon.co.jp
2021年9月11日
学校で学ぶこと=正解(があること)を知ること。
学校の外で学ぶこと=正解がないことを知ること。
どちらも大事だけど、特に後者はまだ学び足りてないことを日々痛感する。
2021年9月10日
昔クラシックの演奏家に対位法の話をしたら「えっ、対位法なんて(音大で学ぶような)難しいことを勉強するの?」と驚かれた。僕は学校などで音楽理論やアレンジの教育を受けたことがなく完全に独断&独学派なので、対位法やリハーモナイズがどう難しいとされているのかすら知らない(笑)。これはラッキーな事だと思う。
The Study of Counterpoint: From Johann Joseph Fux’s "Gradus ad Parnassum" | Amazon.co.jp
2021年9月10日
テレビを見ていて自分の曲がかかっていると思ったら、似た他人の曲。誰の曲だろう?と気にはかかるが、ナレーションが乗っかっていてShazamで調べられるほど音がクリアに拾えない。そんなモヤモヤを解決してくれるアプリが出来たら素敵だけど怖いかも。
2021年9月9日
確率論の本を読むと必ず「大数の法則」の話が出てくる。ラッキーで居続けるには、まぐれやビギナーズラックなどの偶然性・不確実性をあてにしないで1.淡々と、2.反復的に、3.量をこなすしかないという結論になる。本にはその通りは書いていないけど、そう解釈している。
運は数学にまかせなさい―確率・統計に学ぶ処世術 | Amazon.co.jp
2021年9月6日
バンドものドキュメンタリーのご多分に漏れず、このパーラメント/ファンカデリックの映画も耳障りな暴露話が続き、思い入れのあるリスナーは最後まで見通すのが厳しいかも。大学生の頃見た彼らの来日公演では真横で観客が乱闘してるわ、終電過ぎても演奏してるわで、これまた最後まで見通すのが厳しかった(笑)。
Tear The Roof Off: The Untold Story Of Parliament Funkadelic | Amazon.co.jp
2021年9月6日
テレビドラマやCM、映画のトレイラーなど、僕の楽曲が米国でライセンス使用された映像のプレイリストを更新しました。使用実績については僕自身も捕捉しきれておらず、これらは一部の例に過ぎませんが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
https://s.tatsuyaoe.com/3B23DeU
2021年9月5日
オバマ時代に読んだが、宗教(と政治)という観点からアメリカの特殊性を分析した本としては今でも秀逸。ただアメリカの「反知性性」については経済、科学、人種問題なども視野に入れて議論する必要があると思う。ところで、批判的な文脈以外でこの言葉をアメリカで聞くことはまずない。自分の事を「反知性」だと言われて嬉しい人はいないから。
反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―(新潮選書)| Amazon.co.jp
2021年9月3日
ライセンス契約に関する日本語の情報で、法律家ではなく現場の実務家によって書かれたものは少ない。契約うんぬん以前に、自社の商品をライセンスしたいという人を増やさないと始まらないのだが、当然ながら、それは弁護士や法務担当の仕事ではない。ライセンスビジネス=「法律家に相談する問題」という固定観念から脱却することが第一歩だと思う。
2021年9月2日
マイケル・マン監督の「インサイダー(’99)」を久々に見る。「ヒート」と共に良く出来た映画だと思うのだけど、アメリカはこれ以降色々な事が起こりすぎて、今となっては登場人物やストーリーのどこに共感してよいものか戸惑うところも。NYとケンタッキーのアクセントが入り乱れ、リスニング難易度高め。
2021年9月1日
僕の場合8月が大掃除の時期になることが多い。スキャナーを駆使して本は5冊まで減量。CDは自分のレーベルの保管用のみ。でも小学生以降、渡米時までに日本で買った数万枚のレコードやCDは今でも頭の中で鮮明に鳴っている。三つ子の音魂(おとだま)、百まで?