日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2023年10月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2023年10月31日
紙の束を渡されて、「制限時間内に出来るだけ沢山の紙を、教室の向こう側に飛ばしなさい」と言われたら?紙飛行機を一つ一つ作って飛ばそうとする人は、紙をくしゃくしゃに丸めた玉を放り投げる人に惨敗する。後者の解決法に眉をひそめる大人もいるだろうが、現実世界で瀕死の状況を切り抜けたり社会に変革を起こすのは後者のやり方。答えは一つでないことを教わる機会はあまりに少ない。
『頭にガツンと一撃』| Amazon.co.jp
2023年10月30日
僕は考え方や音楽の好みに関してはかなり欧米寄りかも知れないが、味覚と「かわいいもの」に対する感覚は未だにめちゃくちゃ日本人だと思う。アメリカでかわいいとされるキャラクターは(かわいいとされていなくても)目に白い部分がある。つまり「目玉」をそのまま表現する。対して日本のかわいいキャラクターは殆どが黒い「点」。僕は『Cars』には惹かれないけど、『モルカー』は結構好き。
【公式】PUI PUI モルカー 第1話「渋滞はだれのせい?」 - YouTube
2023年10月29日
少し風邪気味だったので、薬局で複数の風邪薬の違いを聞いてみた。すると「むやみに風邪薬を飲むよりも体力を回復しましょう!」と言って、栄養ドリンクを勧めてきた。以前、自転車を買いに行った店で「うちでは買わない方がいいですよ」と言われたことを書いたが(結局自転車自体買うのをやめた)、これはセオドア・レビットの理論の影響なんだろうか?「穴」はいいから僕に「ドリル」売って!
ドリルを売るには穴を売れ - YouTube
2023年10月28日
自由(独立性)と信頼、財産の関係は似ている。手に入れてキープするには汗と行動、勇気、それに細心の注意が必須だが、無くしたり奪われるのはあっという間。ニューハンプシャー州の標語が「Live Free or Die(自由に生きろ、さもなくば死ね)」だというのはご存知だろうか?フランス革命でも謳われたように、自由や独立は懸命に勝ち取らないと得られない「尊いもの」。
"Live Free Or Die" License Plates Speak For New Hampshire - YouTube
2023年10月27日
近く引越しをすることにしたので、ただでさえ少ない所有物をさらに断捨離中。古い書類を整理していたら、ベルギーの某テクノレーベルから送られてきた契約書が出てきた。この時期には既にイタリアのACVと何枚分かの契約をしていたが、他のレーベルとサインをしても特に問題はなかったはず。なぜこんなチャンスを見送ったのか、笑っちゃう位に全然思い出せない(笑)。
Joey Beltram - Energy Flash - R&S Records Classics - YouTube
2023年10月26日
ヒストリーチャンネルの米国自動車業界の黎明期を描いた番組が面白い。僕はアメ車は敬遠して購入した事がないが、車こそが20世紀のアメリカを形作ったというのはこの番組を見るととてもよく分かる。そういえば先日、ある公的機関に問い合わせをしたら、「メールはウイルスの心配があるので不可。FAXなら対応する」と居丈高に言う。「車は危ないのでロバで行くでござる」と言われたような気がした。
ザ・リーダーズ ~車で世界を変えた男たち | ヒストリーチャンネル
2023年10月25日
発明家は「問題を解決するのが上手い人ではなくて、問題を見つけるのが上手い人」だという。既に存在する問題を解決するよりも、問題を発見したり創り出す方が、よりセンスや感性が必要とされるかも知れない。ルービック・キューブを発明したエルノー・ルービック氏は、自分が作ったキューブを初めて解いた時は数か月を要したとか。子供の頃大会に出た位熱中した僕は、それを知って少しほっこり。
Erno Rubik: Creator of the Cube | TIME - YouTube
2023年10月24日
LAのゲティ美術館まで乗ったUberの運転手サムの本業はミュージシャン。西海岸に来て長いらしく、エミー賞など様々なハリウッドの授賞式に出席した時の昔話を自慢しつつ、今の音楽業界や流行への不満を漏らす。ここまではよくある光景だが、車を降りる時、トランク一杯に積んだデモテープの山を見て唖然とした。アメリカでは諦めの悪い奴が勝つ。どこで大逆転や奇跡が起こるかは誰にも分からない。
The Pursuit of Happyness (2006) Official Trailer - Will Smith - YouTube
2023年10月23日
旅先ではしばしば不思議な出会いがある。以前、神話のゆかり深い伊勢の海岸に佇んでいたら、背後から眼鏡姿の紳士が現れ、その土地に拡がる松の防風林について丁寧かつ知的に解説をしはじめた。しかも僕が数日後に立ち寄る予定だった九州の地名まで飛び出す。恐らく近所の役場か旅館の方だったのだろうが、僕は道案内の神、サルタヒコに出会えたのだと思い切り都合良く考えることにした。
【人生を導く神様】猿田彦大神(サルタヒコ)のご利益・物語を解説 - YouTube
2023年10月22日
ニーチェに「Without music, life would be a mistake(音楽のない人生は誤り)」と言われるまでもなく、音楽は僕の生き甲斐でもあり救いでもある。救いと言えば、昔から「モーツァルト療法」の様にクラシック音楽がストレス軽減や脳に良いとか、いやメタルが効くんだとか諸説あるようだけど、そんなの「自分が好きな音楽を聴く」のが一番良いに決まってるよね(笑)。
They Bar-Kays - Holy Ghost - YouTube
2023年10月21日
日本でも海外でも、子供用、それも幼児向けのテレビ番組を見るのは楽しい。教育番組から絵本まで、子供向けのメディアは創造性や自由な発想を謳うのに、なぜ小学校に入った瞬間、現実の社会は「〇〇してはいけない」的な秩序と威圧感だらけの、ストレスフルな世界に暗転するのか。理由は様々だろうが、子供の自由奔放さや創造性に対する大人の側の恐怖心や嫉妬があるのでは。
ノージーのひらめき工房 - NHK子どもたちに“つくることの楽しさ”を感じてもらうことを第一に考えて番組を制作しています。
2023年10月20日
先日も書いたように、今年は既に8枚アルバムを制作しているが、年末までにもう1枚は作れそうな気がする。『Heavy Mellow』『Sunshine』のデラックス版を作り終えたけれど、『Heavy Metal』には進みません。理由は、「意外としんどかった」ので(笑)。長い目で見て、創作のアイデアと意欲を枯渇させないためには、「自分を追い込みすぎない」ことも大事だと思う。
Don't be so hard on yourself.: あまり自分を責めるな - NHKゴガクル英語
2023年10月18日
僕はカバーソングというものにあまり興味がなくて、自分では昔OE名義でバート・バカラックの『This Guy’s in Love with You』のカバーをしたのが唯一の事例だと思う。ただ、Youtube等でオリジナル楽曲を凌ぐほど演奏がしっかりしているカバーに遭遇した時は、プロアマ、有名無名関係なく見入ってしまう。Fleetwood Macの曲を得意とするこのバンドの演奏には舌を巻く。
"Dreams" performed by Rumours of Fleetwood Mac - YouTube
2023年10月17日
旅行先でその土地土地の記念館や博物館、ギャラリーを訪ねるのは楽しい。NYのメトロポリタン美術館のように週一でも通いたくなるものに出会うのは難しいが、日本の松本清張記念館や、手塚治虫記念館はかなり好き。彼らの創作の裏にある「魂」を感じ取ることが出来るから。それを実現するのは建築家やキュレーター、資金の多寡ではなく、結局のところ遺族の熱心な協力や裏付けだと思う。
松本清張記念館 | 「クロスロードふくおか」
2023年10月17日
先日Deluxe版を作り終えた『Sunshine』は、今でも気に入っている作品。ただ時は2009年、リーマンショックの煽りもあり、日本の流通状況は大きく変わりつつあった。ラジオのチャートに入り、雑誌でも沢山良いレビューを頂いたが、販売会社はアニメのオルゴール・カバーのような、即効性のある「企画盤」を捌くことに必死に見えた。そこで考え学んだ事はその後の劇的な転換に結び付いたので、今となっては「塞翁が馬」。
Captain Funk – Sunshine | ディスコグラフィ
2023年10月15日
「自分の可能性を死ぬまでに全て使い切りなさい。そうしないとあなたの死に際に、使われなかった可能性が幽霊となって床に現れ、不満をもらすだろう。」少々オカルト的で不気味な喩えだが、デンゼル・ワシントンが大学の卒業スピーチで語ったこの内容(出典は元民主党議員のレス・ブラウン)は妙に説得力がある。長期的な視点で時々、自分の「可能性の棚卸し」を行うのは大事。
Denzel Washington - GHOSTS SPEECH - YouTube
2023年10月14日
何がきっかけだったのか思い出せないが、以前ショウダンス界のスターコンビ、ユリア・ザゴルイチェンコとリカルド・コッキのダンスを見て仰天した。世の中、持ち前の才能や資質、運が結果に大きく左右することもあるが、それに加えて超人的な努力や練習をしないと絶対に達成できない偉業がある。彼らの演技は、身体能力とかクリエイティビティ以前の「ド根性物語」を最高に洗練された形で魅せてくれる。
Riccardo Cocchi - Yulia Zagoruychenko | 2019 Dublin | Showdance Jive - YouTube
2023年10月13日
日本語の辞書で「狼」を調べると、「うわべだけ優しく装い、実際は恐ろしい人」とある。英語では「一見優しい」というニュアンスはなく、ストレートに「強欲で獰猛な人」。石原慎太郎の戯曲から借用した映画「白昼の死角」の宣伝コピーは、「狼は生きろ、豚は死ね」だった。僕の中では、狼は単純に「人に媚びることに興味がない、縄張り意識の強い生き物」というイメージがある。だからこそ、人は恐れるのだろう。
犬は自己中心的? オオカミのほうが仲間思いとの研究:AFPBB News
2023年10月12日
この数年、ますますニュースを見ないことにしているのだけど、とても快適。大型テレビは随分前に取っ払ってしまったし、英語でも日本語でもニュースやジャーナリストのウェブや記事を殆どチェックしなくなった。滑稽なのは、それで仕事にも生活にも全く支障がなく、むしろ効率があがっていること。世間のニュースよりも、「自分と自分の大事な人のニュース」を最大限充実させることに集中すべきだと思う。
Why You Should Stop Reading News
2023年10月11日
アフリカの諺に「裸の人間が”シャツをあげよう”と言ってきても信用するな」というのがあるらしい。人の上に立とうとしたり優越感を得たいがために、実際は持っていない「お金」や提供できない「仕事」はもちろん、実体験のない「経験」を語り、生かじりの「知識」を知ったかぶるというのはよくあること。でも世界で一番醜く寒々しいのは、虎の威を借る「権力」のひけらかし。
The Ass In The Lion's Skin - YouTube
2023年10月10日
ディスカウントストアのドン・キホーテは時折お世話になるし、創業者の著書も読んだことがあったが、セルバンテスの『ドン・キホーテ』をちゃんと読んだのは初めて。話の展開の面白さに引き込まれ半日で読了してしまった。自分はドン・キホーテの無鉄砲さに魅かれるのだろうと思って読み始めたのに、意外にも、サンチョ・パンサの現状認識力や強かさ、生きることに対する執着心の方が遥かに印象に残った。
ドン・キホーテ 新版/セルバンテス/牛島 信明 | Amazon.co.jp
2023年10月9日
『Sunshine (Deluxe Edition)』のアートワークも完成しました。OE『Suchness2』に始まり、今年はこれで8枚アルバムを制作したことになるから、我ながらよくやっていると思う。今回よく分かったのは、旧作に真剣に取り組むのは、新作を作るのと同じくらい骨が折れる。『不思議の国のアリス』の「昨日の私は別人だから、昨日には戻れない」ではないが、新作だと思って聴いて頂けたらと思います。
Lewis Carroll quote: I can't go back to yesterday - because I was...
2023年10月8日
マスタリングは終わったが、小さなミスが残っていないか何度か聴き直す。僕は大雑把なので、反復チェックを心がけているけど、それでも残った凡ミスはスッパリ割り切る。あるアメリカ人ミュージシャンがバンドのプロデュースをした際、バンド側が「この音が気になる」と相談したら、「そんなとこ気にするの、お前本人だけだよ」とサラっと流したという話を聞いたことがある。自分事を全て「ひとごと」として流せるようになったら最強(笑)。
Jeff Beck tribute - Diamond Dust - YouTube
2023年10月7日
久々に『マッチスティック・メン』(監督リドリー・スコット)という詐欺師の映画を少し見たせいか、ハワイでアジア系の詐欺師に出会う夢を見た。ウォルマートの制服の様な真っ青なポロシャツに身を包み、トヨタのタコマを運転して不思議なアイデア商品を売りさばく。結構巧妙に出来たクライム・サスペンスで、それこそ夢中でプロットを追っていたのだが、目覚まし時計の音であえなくストーリーが空中分解。
Matchstick Men (2003) Official Trailer - Nicolas Cage - YouTube
2023年10月6日
『Sunshine (Deluxe Edition)』のマスタリングを終えました。10月第1週までに作業を終える予定だったので、スケジュールぴったりです。先週発売した『Heavy Mellow (Deluxe Edition)』と同じく、全曲の素材を一つ一つ見直し、ミックスダウンを行いました。『Mellow』よりも、今の気分に合わせて大胆にミックスを変更した曲が多いです。発売は12月初旬を予定。お楽しみに!
Captain Funk "Sunshine" Album Commercial - YouTube
2023年10月5日
世の中、自分より弱い者しか相手にしなくて済む(と勘違いさせてくれる)職業や立場、資格が結構ある。僕はそういう世界に魅力を感じないので、常に距離を置き、警戒してきた。対象が人間であれ、仕事であれ、自分には手強い存在や難しい状況と対峙する方が、遥かに生きた心地がする。ところで「宮本武蔵はフリーランスだった」という番組があったようだが、敬意を表して「インディペンデント」と呼んであげて下さい。
Les McCann & Eddie Harris / Compared To What - YouTube
2023年10月4日
その昔全国的に人気を博した『タモリ倶楽部』の「空耳アワー」というコーナーはご存知だと思う。さらに遡ること83,4年頃、関西の深夜ラジオ番組に「聞きこんだら」というコーナーがあって、ネタの破壊力(と下品さ)は前者を凌ぐものがあった。この番組で僕がもっとも鮮烈に覚えているのが、エディ・グラントのこの名曲。”God, they watch him put his ship to sea”が何と聞こえるかは、書きません(笑)。
Eddy Grant - Another Revolutionary - YouTube
2023年10月3日
次のアルバムの全曲ミックスダウンを終えたのだけど、この段階になると同じ曲を何度も聴きすぎて、修正した部分の差異がだんだん分からなくなってくる。なので、耳をリフレッシュさせる工夫が必要。ミックスやマスタリングではよく「リファレンス・トラック」といって、他人の曲のミックスや音圧を比較・参照する話が出てくるが、僕はリファレンスに頼りすぎないようにしている。人の音は人の音、人の耳は人の耳だから。
JULIA SARR - Yéné - YouTube
2023年10月2日
調べもので検索をした時や、自ら訪問したウェブサイト以外は情報を拾わないようにしたいのだけど、なかなかそう都合よく出来ていない。「自分の知りたい事だけ教えてくれるAIフィルター」が欲しい。ただ、これはテックの人達が我々に求めていることと真逆だから(彼らは出来るだけ余計な情報に触れて欲しいから)、結局は自分で自らの情報リテラシーを洗練させていくしかないようだ。
Mac Ayres / Waiting - YouTube
2023年10月1日
「人間万事塞翁が馬」という言葉が好きで、実際にあった「塞翁が馬」ストーリーを調べることがある(英語だと”Every cloud has a silver lining” とか “A blessing in disguise”と言う)。僕が知っている最も強烈な「塞翁が馬」は、窃盗で少年院で服役していたジェームズ・ブラウンが、慰問ライブにやってきたボビー・バードと出会う話。”The funk don’t quit”は「転んでもただでは起きるな」と同義だね。
Bobby Byrd Is Not Quitting The Band - Get On Up - YouTube