日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2024年7月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2024年7月31日
ふと興味が湧いて、燃料電池の発展に大きく貢献した故ジェフェリー・バラードについての本を読んだ。エネルギー開発は捻出すべきコストが莫大なので、発明家/エンジニア気質の彼とそのチームは常に金策に悩まされ、ドライな経営陣との確執が絶えなかった。彼の姿勢には刺激を受けつつも、他人の金はびた一文使いたくないという思いを強くした次第(笑)。
『燃料電池で世界を変える-燃料電池メーカーのトップランナーバラード・パワー・ システムズのたたかい』| Amazon.co.jp
2024年7月30日
音楽の世界では常に新しいスタイルが現れ、進歩や突然変異、衰退や淘汰といった変遷を遂げていく。ただ生物の進化論とは違って、世間一般に浸透しようが拒絶されようが、一度誰かの心を揺さぶった音楽はどこかで引き継がれる。今となってはごく普通のアレンジに聞こえるこの曲を聞かせたら、プロミュージシャンでさえ「こんなの音楽じゃないよ」と一蹴していたのだから。
M-Beat feat. Nazlyn - Sweet Love - YouTube
2024年7月29日
住宅紹介の番組等を見ていると、吹き抜け部分の多い家が増えた気がする。僕は居間や寝室であっても音が反射したり回る部屋が苦手なのだが、音や臭い(つまり空気の対流)の問題が採り上げられることは意外と少ない。開放感も大事だけど、「聞かなくてもよい音が聞こえて来ない」空間を優先したいと思うのは、職業柄なのかな。
開放感のある「吹き抜け」を徹底解説! | sumuzu
2024年7月28日
関西にゆかりのない友人に「”おまんがな”ってどういう意味?」と聞かれたので「”(あり)ます”の意味だけど、今は年配の芸人やおっちゃんしか使わない」と説明して納得してもらった。決して放送禁止用語ではない(笑)。親が転勤族だったので子供の頃に関東、関西、中国、九州の言い回しをマスターしたけど、そのエネルギーを少し外国語に回したかったかも。
服部平次の関西弁が!?伝説の爆笑“おまんがな回”が復活!『名探偵コナン』
2024年7月27日
スティーブ・ジョブス曰く、「実行する人と夢を見るだけの人との違いは、他人に助けを求めることが出来るかどうかだ。」殆どの人が頼むことをしないのは、「自力で何でもこなそうとする」からではなく、「相手に拒絶されるのが怖い」から。とはいえ、決定権のない人やリスクテイキングの経験がない人に頼んでも無駄。この手の記事にない大事な点は「頼む相手を”超”厳選する」こと。
Steve Jobs 'never found anybody that didn’t want to help me if I asked them.| Fortune
2024年7月26日
スタンダップ・コメディと言えば、Amazonで制作されたドラマ『マーベラス・ミセス・メイゼル』はご存知だろうか。この番組の音楽監督は別番組『Younger』でCaptain Funkの曲をチョイスしてくれた方だったので、音楽面にも注目して見ていた。数エピソード見れば彼女が3年連続でエミー賞を受賞した理由が理解できるほどの、見事な仕事ぶり。
Marvelous Music From The Marvelous Mrs. Maisel | Prime Video - YouTube
2024年7月25日
英語の教材等で知られる日本在住の米国人が、ネイティブの英語に慣れる方法の一つとして、スタンダップコメディを見ることを勧めていた。スタンダップコメディは歴史も長くスタイルも千差万別なので一概には言えないが、Fワードを多用しすぎるのと、アジア系のコメディアンは未だに人種差別の自虐ネタが多いので、もう次のレベルを目指す人が現れても良い頃だと思っている。
Netflixで見られるクリーンなコメディアン
2024年7月24日
ロン・ハワード監督の『Far and Away』という映画は、19世紀末に米国オクラホマ州で行われた土地の入植競争「ランドラッシュ」に参加するためにアイルランドから移民した人々を描いた物語。渡米生活やアメリカの成り立ちに興味のない人にはあまり接点のないテーマかも知れないが、僕にとっては初心に戻る機会を与えてくれる貴重な映画の一つ。
Far and Away Official Trailer - Tom Cruise Movie (1992)
2024年7月23日
サーチエンジンを使った検索結果だけでなく、ネット上の情報の質全体が地盤沈下を起こしているような気がする。そんな中、PerplexityやCopilotなどのAIツールを使うと、検索結果よりは的を絞った、信憑性の高い情報が得られることがある。ただし、AIも情報源をサイバースペースに頼っている以上、英語ベースで使った方がより公正で有益な結果が得られると思う。
2024年7月22日
制作が落ち着いたので、過去に作った曲のバージョン違いのトラックを用意している。出来た楽曲をDISCOというプロ用の音楽ライブラリ・サービスに追加していくのだが、収録楽曲数が昨日1000曲を超えたので、2000曲まで対応できるプランに変更した。曲を聴いてもらうことにもっと時間を割くかもと思いつつも、創作意欲の方が俄然勝ってしまう。
Dark Model - Terra (Non Choir Mix) - YouTube
2024年7月21日
間もなく開催されるパリ五輪のブレイキン(ブレイクダンス)競技用に使われる音楽は、テレビ放映用に事前に許諾の取れている390曲から選ばなくてはいけないとか。そのプレイリストは極秘にされているようだが、極秘と言われるとなおさら見てみたくなるもの(笑)。
‘Improvisation is key’: DJs ready for supporting role in breakdancing’s Olympics debut | The Guardian
2024年7月20日
電子書籍よりも本を買って読む機会が増えている。長らくオンライン/デジタル生活でモノを減らすことに意識が向いていたけれど、最近はオフラインの時間を出来るだけ増やしたいという気持ちが強くなった。サーチエンジンも極力使わない。仕事上のやり取りに関しては引き続きテクノロジーを活用しつつも、創作や発想、娯楽に関しては「レス・デジタル」な方向で考えてみたい。
Life Before the Internet… You had to do WHAT! - YouTube
2024年7月19日
DJをしていた頃、いわゆるビッグルームでのスピンも醍醐味があって好きだったが、ダンスに重きを置かないバーやサブフロアでの選曲も楽しかった。そういうシチュエーション用に、現代音楽や民族音楽、クラウトロックや効果音のレコードに加えて、DJバッグに忍ばせていたのがこの曲。今は分からないが、当時の東京はクリエイティブな面で、独特な貪欲さとおおらかさが共存していた。
Bonzo's Montreux (Remaster) - YouTube
2024年7月18日
Dark Modelのファースト・アルバムをリリースして10年が経つ。キャリア初期の頃は、(日本で生活しつつ)どこの誰に向けて何を作るべきか毎回暗中模索していたようなところがあるが、2006年にModel Electronicを設立して以降は、そうした迷いがない。自分の内なる声を疑っていたら、このアルバムはもちろんのこと、Dark Model自体存在していないと思う。
Dark Model - Dance of Wrath (怒りの舞) - YouTube
2024年7月17日
先日昼食時に見たイタリア映画『丘の上の本屋さん』は、起伏の少ないあっさりした物語ではあったけど、えげつない(笑)アメリカのエンタテインメントばかり見慣れた自分には、このゆったり&ほっこり加減が妙に懐かしく新鮮だった。セネカやセルバンテスなど、僕が好きな著者が登場するのも嬉しいが、今読んでるショーペンハウアーは、主人公の店主にはどう映るのだろう。
『丘の上の本屋さん』予告編/2023年3月3日公開 - YouTube
2024年7月16日
「意見」と「ポジショントーク」の違いをAIに聞いてみた。ポジショントークは和製英語だから、self-justification(自己正当化)に置き替えてみると、「意見は新しい情報や経験によって変化する、柔軟なものです」という答えが。それに対し後者は、自分の行動や判断、感情、権威を守る「防衛手段」。つまり理性以前に働く、人間の「本能」や「恐怖心」から来るもの。
ポジショントークとは?| GLOBIS学び放題×知見録
2024年7月15日
このところ2週に一度は家でネギトロ丼を食べている。アメリカでもマグロは角切りでポキ・ボウルに入っている事はあるけど、ペースト状にしたツナ(Minced Tuna) を生で食べている姿を見るのは寿司屋くらい。「すき屋では4ドルでネギトロ丼が食べられる!」と動画を載せている旅行者がいたが、そうかこの円安だと600円は4ドルにも達しないのかと、嬉しいやら悲しいやら。
Negitoro Don - RecipeTin Japan
2024年7月14日
天才建築家を描く、アイン・ランド『水源』を原作とした映画『摩天楼』をご存知だろうか?ランドはリバタリアンの間で今も絶大な支持を集める女性作家だが、この映画版の極端さには面食らった。他人の出資にも関わらず、建築家が「創造的な善/解」を目指すことと「自己顕示/正当化」の線引きが曖昧になることは今でもあると思う。ただ、これはパロディを超えてホラーかな。
The Fountainhead (1949) Trailer - YouTube
2024年7月13日
エジソンにとっての電力、フォードにとっての自動車生産のように、偉大な発明家やエンジニアは、発明や技術だけでなく、それを取り巻く新たな「システム」を創り出す。燃料電池(もしくは水素)を用いた新たなエネルギーシステムの構築を目指した故ジョフリー・バラードの存在はあまり知られていないが、彼が残した足跡は今後ますます重要になりそうだ。
Geoffrey Ballard - fuel cell visionary
2024年7月12日
一時期「スペック・ワーク(「気に入ったらお金を払う」、都合の良い仕事)」が問題になったけど、僕は長らくコミッション・ワーク(他人のお金と意向で行う仕事)自体受けた事がないので、アーティストより先に「自腹業」だという自負がある。建築など他の創作・表現に触れるのは好きだけど、お金の出所や責任/権限、そして自由度の点で、仕事としては全く別物だと捉えている。
【要約】身銭を切れ 「リスクを生きる」人だけが知っている人生の本質【ナシーム・ニコラス・タレブ】 - YouTube
2024年7月11日
「日本ほどジャズが身近な国はない」という話を以前書いたことがあるが、ブラジリアン・ジャズ辺りも日本やヨーロッパに比べるとアメリカでは全然浸透していない。以前住んでいたアパートのスタッフにはブラジル移民が多く、彼らの国の音楽の話題で盛り上がることもあったが、それは例外中の例外。若い内に様々な音楽を吸収できたのは実にラッキーだったと思う。
Tania Maria - Come with me (live) - YouTube
2024年7月10日
進化論や生態学の話は好きだけれど、それらから学べることをそのまま人生訓や人間社会でのモラルに置き替えるのは無理があると思う(自然主義の誤謬)。進化論は「進歩論」ではないし、現存する生き物たちが自然淘汰を免れてきたのは彼らの「努力の賜物」ではない。幸い、一人の人間が習慣や心がけ、行動で人生を変えられる余地は相当残されている。
進化とはなんだろうか | Amazon.co.jp
2024年7月9日
毎晩就寝前に、以前調べた英単語の復習をしている。外国語で書かれ話された内容をオリジナルソース(一次情報)のままで理解する力がないと、「伝言ゲーム」のように歪んで翻訳された本や吹き替え、ニュース、検索結果をうかつに信用しやすい。米大統領選挙のニュースなどは翻訳以前に情報ソースのチョイスに問題があると思うけど、その話はまあいいや(笑)。
英語力は、あなたをメディア・バイアスから自由にする - ENGLISH JOURNAL
2024年7月8日
アメリカのカウンターカルチャー時代を象徴する雑誌『The Whole Earth Catalog』が無料で公開されていることを最近知った。昔マンハッタンの古本屋で実物を見たっきりで、中身にじっくり触れるのはこれが初めて。方向性は違うが、昔の日本のカルチャー誌や科学誌も情報量がぎっしりで、書籍よりもワクワクしてむさぼり読んだ時代があった。
Whole Earth Index | Whole Earth Catalog, Fall 1968
2024年7月7日
『Songs of the Siren』の頃から僕の音楽を聴いて下さっている方は、僕がペンギン好きなのはご存知だと思う。BBCのネイチャー系ドキュメンタリーは、ストーリー構成、映像から音楽の使い方まで秀逸なものが多いが、この「Penguins: Spy in the Huddle」シリーズの、ペンギンや岩、卵がカメラになるアイデアにはびっくり&爆笑。
Penguins: Spy in the Huddle - BBC One - YouTube
2024年7月6日
「名誉を愛する者は、自分の幸福は他人の行為の中にあると思い、享楽を愛する者は、自分の感情の中にあると思うが、もののわかった人間は自分の行動の中にあると思うのである。」マルクス・アウレリウス『自省録』を本棚から出して読みたくなる時がある。1800年以上前に書かれたこの著書の存在を、40年前の小・中学生時代に知っておきたかった。
マルクス・アウレーリウス 自省録 | Amazon.co.jp
2024年7月5日
以前住んでいたアパートの次の住人は、礼儀正しく、かつ飄々としたアジア系の男性で、好感が持てた。妻と子供を本国から呼び寄せるからこれから仕事頑張らなきゃ!と笑っていたが、不動産エージェントから、実は最高段を持つプロの囲碁棋士だと聞いた。勝負師っぽくない感じがますます勝負強そうだなと思ったのは、僕の認知バイアスだろうか(笑)。
The Surrounding Game (知られざる世界の囲碁) - Official Trailer
2024年7月4日
フィリップ・グラスは敬愛するジョン・ケージに自分の曲を聴かせた時、「音が多すぎる」と指摘されたという。これは彼が自伝で書いたエピソード。ル・コルビュジエが桂離宮を見て「線が多すぎる」と”嫌悪感を示した”と、ある建築家が著書で紹介していたが、これには明確な出典や根拠がない。先日のビスマルクの名言しかり、ファクトチェックはますます重要になってきていると感じる。
2024年7月3日
昨年リリースしたMER『Soul Funk Ska Moods』に収録されている「Dub Me Do」含めた2曲が、日焼け止めブランドSun Bumのプロモーション映像にライセンス使用されました。このブランドのパッケージに使われているゴリラのイラストは、TargetやCVS、ウォルマートなどの大手小売店に行けば、探さなくても視界に入ってくるほどお馴染み。
Bum Rush Tour / Portland, Jamaica - YouTube
2024年7月2日
ゲームやスポーツなど明確なルールがある勝負事はさておき、客観的な判断基準がない社会の事象に「勝ち組」「負け組」といった優劣の「裁き」を持ち込むのは苦手。自分の内なる声よりも社会の価値基準(という幻想)に沿って考え行動する「他人指向型」になると、その基準が通用しない次の時代や別の社会で生きる事になった時に指針を見失いやすい。
デイヴィッド・リースマン『孤独な群衆』| Amazon.co.jp
2024年7月1日
8月2日発売のOE『Compositions in Light』のお知らせをTopicsのページに掲載しました。昨年リリースした『Compositions in Blue』の路線を引き継ぎながら、よりアクセスしやすい躍動感のある曲が揃っています。収録曲の「Sky High」の試聴クリップも紹介しているので、是非お知らせをご覧ください。
OE『Compositions in Light』2024年8月2日リリース