日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2023年7月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2023年7月31日
米調査会社ハリス・ポールによると、オールドミレニアルとX世代(35から54歳)の77%が、インターネット以前の時代に戻りたいと思っているという。「あの頃は良かった」的なノスタルジーや思い入れからではなく、常々「これからの時代を楽しく生きるヒントは、むしろネット以前の時代に見つかるはず」だと思っているので、この記事は興味深かった。何事もバランスだと思う。
2023年7月30日
先週から吸引力の強い掃除機が我が家にやって来て大活躍している。性能の良い掃除機を使うと掃除が俄然楽しい。ロボット掃除機も何種類か試したが、その中の一台で、水拭きの出来る有名ブランドのマシンは何故か期待に添わなかった。音響や家電などのエレクトロニクスに関しては、中国メーカーの製品のクオリティがこの10年位でグンと上がった気がする。
You Make Me Happy (Slight Edit) - YouTube
2023年7月29日
以前、極寒の東海岸からの引越先として、カリフォルニアのパーム・スプリングスという砂漠地帯を検討していたことがあった。1年中晴れの日が続き、冬もさほど寒くならない。治安はロスよりは良い。とはいえ、このところの猛暑で華氏120度(摂氏49度)に達したとのこと。さらに暑いデスバレー辺りもそうだが、それでも観光客が減ることはないのが凄い。
Palm Springs Vacation Travel Guide | Expedia
2023年7月28日
ロレン・ノードグレンという心理学の専門家があるポッドキャストで、「Friction(心理的障壁)を無くすことで問題が一気に解決した」様々なエピソードを紹介していた。感心しつつも、残念ながら世の中には逆にこの「障壁」を増やして事を複雑にすることに生きがいを感じる人もいる。彼の著書の邦題は『「変化を嫌う人」を動かす』だが、僕は「変化を厭わない、柔軟な人と環境を選ぶ」方が先だと思う。
変化を嫌う人を動かすには「抵抗」を解消する | 東洋経済オンライン
2023年7月27日
明日MERの新作『Soul Funk Ska Moods』が発売・配信されます。BandcampのMERページではいち早くリリースをしたので、是非お立ち寄り下さい。夏真っ盛りの今、清涼感を添えるグルーヴィーな一枚に仕上がっていると思います。
MER - Soul Funk Ska Moods : Groovy Ska and Rocksteady Mixes
2023年7月26日
MJやプリンス、ハービー・ハンコックらの曲は幾度となく再評価されて、中には当時の人気以上にストリーミングされている曲すらある。その半面、多くのミュージシャンが影響を受けているはずなのにあまり話題に上らないアーティストも少なからずいる。Zappの故ロジャー・トラウトマンもその一人。独特なスタイルでトークボックスをファンクに導入した彼に、足を向けては寝られないバンドもあるだろう。
Zapp and Roger Live 1989 - YouTube
2023年7月25日
人間ドックや検診を受けると、毎回結果はすこぶる良いのに、「いや、いつかどこかおかしくなるよ」と不安を誘うような文言がテンプレになっていることに、不健康さを感じる。「概ね良好です、良かったですね!」とは言えないものか(笑)。過剰診断、医原病という言葉も流行ったが、最近その「補正キャンペーン」が行われているようだ。ただ専門家の話にはよくあることだが、この説明も回りくどくて、船酔いする。
【がん検診】“早期発見しなくていいがん”がある? - #がんの誤解 - NHK
2023年7月24日
公園を散歩しながら本を読んでいる。歩きながらページをめくるのは注意と慣れが必要だが、やみくもに歩くよりも断然楽しい。最近読んでいるのは『創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある―海洋堂物語』。実はこの本を買うのは2回目で、丁度20年前(!)のこのブログでも紹介したことがあった。模型を作らなくなって久しいが、宮脇親子のストーリーはいつ触れてもワクワクする。
創るモノは夜空にきらめく星の数ほど無限にある 海洋堂物語/宮脇 修
2023年7月23日
ラテン音楽やディスコ、ファンクを聴いて気分が塞ぐという人に会った事がない。好きな音楽ジャンルは沢山あるが、僕がこれらの音楽が特に好きなのは、ウンチクや評論、体裁が入り込む余地がなく、体と心が「楽しい!」と素直に反応するから。逆に「これは(格好)良い音楽です」と頭に言い聞かせてから楽しむのが好きな人もいるだろうけど、そういう情報で判断が揺らぐタイプはこの手の音楽にはあまり接近しない。
A Night In London - Poncho Sanchez
2023年7月22日
僕は「ギターの音が決められず、数日悩む」みたいなことはあまりなく、その気配を感じたらすぐに別の曲に移ってモードを入れ替えるようにしている。なのでこの数日間、他の曲がどんどん仕上がっている(笑)。僕はギターではテレキャスターの音が圧倒的に好きなのだが、ストラトで録音した音をエフェクト処理してテレキャス風に聞かせるというのは出来ない。録り直すしかないか。
Can A Stratocaster Sound Like A Telecaster? - YouTube
2023年7月21日
デビューした頃に住んでいた部屋は、当時持っていたレコードのコレクションの重みで心なしか床が湾曲していた(笑)。その絵が脳裡をかすめて思わず、Bing Chatに「世界一ディスコのレコードを持っているコレクターは誰?」と英語で聞いてみる。すると、「ディスコのコレクターは分かりませんが、ブラジルのZero Freitasさんは600万枚レコードを持ってますよ」と返してきた。まるで国会図書館じゃないか!
BRAZIL: WORLD'S LARGEST RECORD COLLECTION (COOL!) - YouTube
2023年7月20日
デヴィッド・ケリーの名スピーチの冒頭で、粘土で馬を作ったら「全然馬に見えない」と女の子にけなされ、一気に創作意欲を失う少年の話が出てくる。僕はこの「馬に見えないものが出来てしまう」ことこそが、人間の創造の面白さであり出発点だと思う。AIや検索に冗長性やランダム性を加えすぎると実用性が下がる。Midjourneyに「馬」と指示して「馬に見えない謎の動物」を描かれると、使う気が失せるだろう。
デビッド・ケリー: 自分のクリエイティビティに自信を持つ方法 | TED Talk
2023年7月19日
インターネット(主にSNSやUGC)やAIが浸透すると、創作の多様性はかえって失われるという(逆説的な)傾向を我々は目の当たりにしている。僕は特に創作においての「意外性」や「突発的なひらめき」というものに昔から興味があるのだけど、AIやアルゴリズムはこれらの特性を解釈・生成するのがとても苦手。統計学/数学的な意味での「ランダム性」とはかなり違うと思う。
Top 10 Unexpected Singing Moments in Non-Musical Movies - YouTube
2023年7月18日
今でこそアメリカのスーパーでも普通に売られているが、かつて豆腐(Tofu)は「アメリカ人が最も嫌いな食べ物No.1」だった。彼らの認識を大きく覆し、健康食品として豆腐を米国に浸透させた立役者の足跡。基本的にはド根性物語なのだが、単なる精神論ではなく、様々な角度からコミュニケーションやセールスの壁を乗り越えようとする「工夫と実践の積み重ね」が満載で、学べるものが多い。
豆腐バカ 世界に挑み続けた20年/雲田 康夫 集英社文庫
2023年7月17日
小学3、4年生の頃、プラモデルを作るのが大好きだった。ミリタリー物のジオラマもよく作ったし、VWのゴルフ(車)をラリー仕様に作り変えてコンテストに出品したりと、凝り性全開。思うに、プラモデル製作と音楽制作、そして料理はかなり似通っている。自分のレーベル名に「モデル」という言葉を入れたのも、これらの創作に共通して必要な「モデリング」という行為に関心があるから。というのは説明してなかったかな。
田宮模型の仕事/田宮 俊作 文春文庫
2023年7月16日
就寝時にポッドキャストを聴くことが多い。ゲストスピーカーのトークがあまりに早口でキャッチアップする気が失せて眠くなる場合と、逆に何を言っているのか気になって目が冴えてしまう場合がある。早口の米語に追いつけなくなるのは大抵リダクション(音の省略、脱落)が激しくモゴモゴになるからなのだが、この早口おじさんはメチャクチャ滑舌の良い英語をテープの早回しの様に話す、貴重な存在。
Talking Fast With a Record-Setting Speed Talker - YouTube
2023年7月15日
他人に何を言われようが笑われようが、それに気圧されることなく何かアクションを起こすのは勇気がいるもの。でもアクションを起こした本人は、「最初の賛同者」も同じくらい勇気を振り絞っていることに意外と気付かない。この映像を見ると、東京でDJをしていた頃にいつもクラウドの先頭で踊ってくれていた青年を思い出す。彼の勇気に何度勇気づけられたことだろう。
Sasquatch music festival 2009 - Guy starts dance party - YouTube
2023年7月14日
Topicsのページで紹介したように、7/28(金)にMERの新作『Soul Funk Ska Moods』をリリースします。僕の過去の楽曲のスカ/ロックステディ・バージョンとダビーな新曲が収録されています。初期のCaptain Funk作品やMERの前作『Anti-Crime Breaks』が好きな方なら楽しんで頂けると思うので、まずはアルバム・サンプラーを試聴してみて下さい!
MER『Soul Funk Ska Moods: Groovy Ska and Rocksteady Mixes』7月28日発売
2023年7月13日
ごくたまに、昭和の時代のギラついた質感のある小説を読みたくなることがある。先日読んだのは梶山季之の『俺は歩いて行く』という小説(『寝業師』に収録)。主人公は1950年代に渡米し、英語が全く話せないところから最終的には保険と美容学校で大成功を収める。今は亡き2人の実在した人物の半生を混ぜ合わせた様な話だが、期待通りギラギラしていて楽しめた。
寝業師 (ROMANBOOKS) - 梶山季之
2023年7月12日
「ジャズ喫茶」は日本にしかない、というか日本ほどジャズが身近な国はない。アメリカでは都心のライブハウスやバーにわざわざ聴きに行かない限りジャズに触れる機会はないし、僕が以前住んでいた地域はビル・エヴァンスやマッコイ・タイナーの故郷だが、街から聞こえてくるのはピアノの調べではなくトラップの轟きだった。タリーズから居酒屋まで、コルトレーンが当たり前に流れている国なんて、贅沢の極みだと思う。
日本発、高級オーディオで鑑賞する「ジャズ喫茶」世界に広がる: 読売新聞
2023年7月11日
曲を沢山作ればいいというものではないが、数に比例して曲作りのクオリティは安定していくのが普通だと思う。20世紀を代表するジャズ作曲家アーヴィング・バーリンは101年の生涯で1,500曲以上作曲したという。僕の場合作曲からマスター制作まで行うので、所謂作曲家の作品数と単純比較は出来ないし、彼を引き合いに出すのは畏れ多いけれども、長生きして1,000曲は超えたい(現在500曲くらい)。
American songsmith Irving Berlin - YouTube
2023年7月10日
自分の経験の範囲内の話だが、契約や取引で何かトラブルがあったとき、アメリカだと相手側のトップに直接話せば現場は大抵すぐ反応する。なのでトラブルがあるとすぐに社長にアポを取る。日本の場合は中小企業でも社長を当てにすることはまずない。「日本の組織がボトムアップだから」ではなく、「ボトルネック」が起きているので、上から現場に戻る途中で話が蒸発する。あ、ギターのボトルネックは大歓迎です。
One Hour of Instrumental Slide Guitar • BOTTLENECK BLUES - YouTube
2023年7月9日
インディペンデントという言葉は本来好きだが、結構いい加減に使われることが多い。「インディ・ロック」とかいうのは単なる音楽のスタイルの話であって、資金もマネジメントも、実は全然独立系ではなく、それこそ忖度やしがらみだらけなことも多い。ビジネス書でよく「組織に依存するな」「自分ブランドが大事」なとどいうセリフを見かけるが、本気で丸裸で勝負したことがある人は、そんな軽率な事は決して言わない(笑)。
What is Indie Music? Full Explanation With Examples
2023年7月8日
Dark Model『Relentless』のアルバムサンプラー動画をYoutubeにアップしました。先日収録曲「Starchaser」は紹介していましたが、全曲のハイライトをまとめて紹介するのは初めてです。これを聴いて闘志を燃やし、不安や弱気を蹴散らかして下さい!
Dark Model - Relentless (Album Sampler) - Epic & Brutal Orchestral Electronic - YouTube
2023年7月7日
『Pain is inevitable. Suffering is optional.(痛みは避けられないが、苦しみは自分次第)』という有名な言葉がある。痛みとは何か、これは医者や教師も教えられるが、それをどう受け止め反応すれば良いのかは誰も教えてくれない。「オプショナル(選択可能な)」という言葉に秘めた可能性は、それを行使する意思のある人間が自分で体得するしかないということだろう。
Don't Suffer More Than Needed | Buddhist Philosophy on Pain and Suffering
2023年7月6日
ドミニカ共和国で起業した日本人の本を読んだ。僕が以前住んでいたマンハッタンのアパートのドアマンの一人がドミニカからの移民で、モーガン・フリーマン似の気さくな老人だった。そのアパートのスタッフは総勢20人位いたが、半分は第一世代の移民で、それぞれに傾聴に値する物語があった。彼らと会話する度に、自分がいかにまだ生ぬるいかを痛感しつつ、刺激を受けた。(動画は参考です)
What it's like to be a doorman in New York City - YouTube
2023年7月5日
18の夏、EW&Fのライブを見に大阪城ホールに行った。オーディエンスが待ち望んでいるヒット曲が山ほどあるのに、ジャズ/フュージョン・バンドのように、インストやソロパートが遠慮なく長いのに圧倒。当時の彼等を「普通のディスコ・バンドに成り下がった」と訳知り顔で評論する輩もいたが、まともな耳があれば、数秒聴けば全く「普通」じゃないのは明らか。音は頭ではなく耳と体で楽しむ人が勝ち。
Can't Let Go - YouTube
2023年7月4日
「The Chip War」という、台湾での緊張を絡めた米中(欧)の半導体競争に関するドキュメンタリーを見た。バイアスが入った内容とはいえ、かつて世界の半導体市場を席捲していた日本の「に」の字も番組中に登場しないのは泣けてくる。この手の凋落話になると決まって「誰が悪い」という犯人探しになるが、そのメンタリティこそが負けを呼ぶのだと思う。
「半導体ウォーズ 台湾と国際秩序のゆくえ」 - NHK BS世界のドキュメンタリー
2023年7月3日
健康診断のスタッフの人に「同年代の人と(お腹周りが)全然違うけど、何か鍛えてるんですか?」と聞かれた。「ただひたすら早歩きしてます」と答えたのだが、ウォーキングの効果もさることながら、どこにいてもそれを年間90%以上の確率で毎日反復していることの方が大きいような気がする。食事と生活サイクルが機械のようにルーティーン化しているほど心身ともに調子が良いというのは、何か変な感じだが真実。
Walking In Rhythm - YouTube
2023年7月2日
アメリカで禅を広めた僧侶である鈴木俊隆の著作『Zen mind, Beginner’s mind』に「Believing in Nothing」というフレーズが登場する。「何も信じない」ではなくて、「形や色が出来る以前の状態=無の存在を信じる」と解釈する。すべてのものは無から生まれるという感覚がつかめると、良い意味で全身の力が抜けて、気持ちが楽になる。
Shunryu Suzuki Roshi Clip - YouTubeShunryu Suzuki Roshi Clip – YouTube
2023年7月1日
インターネット黎明期には、世の中の多様性が一層進んでニッチの居場所が確保されるという見方もあったが、現実はむしろ逆で、世界は出口の狭い巨大な部屋のようになり、人々は同じドアに向かって突進している。みな同じ映画を見て、同じSNSに時間を費やし、同じ観光地を訪れる。出口で立ち往生しなくて済むように「空いている場所を探す」「脇道にそれる」楽しさや勇気を育んでおきたい。
イーサン・ホーク: 自分の創造性を解放しよう | TED Talk