日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2023年2月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2023年2月28日
クラブでDJをしなくなって久しいが、昔プレイした各国のクラブやイベント会場の事を思い出すことがたまにある。日本のクラブはめっきり減ってしまったようで残念だが、ロンドンのHeavenやシンガポールのZoukなど、僕が20年以上前にプレイしたクラブが今でも活況を呈しているのには驚かされる。早朝起床の生活が板についているので、客として遊びに行くことすらもう無さそうだけど、シンガポールは近くグルメ旅行に行きたい。
2023年2月27日
2月中にアルバムを仕上げるという目標はほぼ達成できそうです。今回のアルバムを作るのに、幾つかの名義を想定しながら結局3枚分位の曲を用意してしまったので、今回のリリース準備が終わったら早速次の作品のプランを練るつもり。ただ、その前に少し羽を伸ばします。
OE - Tessera - YouTube
2023年2月26日
「英英英単語 上級編/超上級編」という本を見つけた。会話では使わないが、少しインテリな文章やニュースの記事で見かける英単語を復習するのに適した感じで、時折目を通している。ビジネス会話やアカデミックな読み書きについては日本でも勉強出来るが、肝心な「猛勉強したあの英語と、街行くネイティブが話すこの英語は、なぜこうも違うのか?」は、やはり現地に行って何度か撃沈(笑)してみないと分からないと思う(僕みたいに)。
Democústico - song and lyrics by Marcos Valle | Spotify
2023年2月25日
訪れてみたいがまだ実現していない建築物の一つがサンディエゴのラホヤにあるソーク研究所。ルイス・カーンの代表作の一つで、海を臨んだこのシンメトリーな配置に圧倒される。脇のハイウェイから車越しでちらりと見ただけなので、いつか時間を作ってじっくり訪問を、なんて考えてたら、ルイ・ヴィトンが昨年ここでショーをやったとか。ルイス・カーン作品と言えば、NYのルーズベルト記念公園(島)も春はおすすめ。
Cruise 2023 Fashion Show | LOUIS VUITTON - YouTube
2023年2月24日
税務申告の季節は様々な会社から1099という支払調書が送られてくる。今でも紙の書類を郵送してくる会社もあるが、「PDFで送り直してくれないか」というと、半日から数日ですぐにPDFが送られてくる。これが日本の会社だとこうはいかず、十中八九「セキュリティの関係で、税務書類は郵送しか出来ない」となる。で、またお互い余計な作業が増えて余暇が減る。なのに内部からの情報漏洩や不正は年々増えているらしい。これ何で?
Next Spring - song and lyrics by Richard "Groove" Holmes, Les McCann | Spotify
2023年2月23日
Captain Funk『Leaving』がオープニングで使用されたドラマ「Younger(ライザのサバヨミ大作戦!)」の主役を演じるサットン・フォスターは、ブロードウェイの世界では超大御所。20年位前に「Thoroughly Modern Millie」というミュージカルのCDをよく聴いていたのだが、その作品の主役も彼女だったことを随分後から知った。歌唱力、ダンス、共に素晴らしければ素晴らしいほど、ブロードウェイの仕事がいかに過酷かがよく伝わってくる映像。
Anything Goes - 65th Annual Tony Awards - YouTube
2023年2月22日
名義に関係なく、僕の楽曲には結構な頻度でハープシコード(チェンバロ)の音が使われていることに気付いた方はいるだろうか?バロック音楽でお馴染みのこの楽器が持つ古風ながら凛とした響きは、エレクトロニックな編成にも意外と合う。そういえば、バロック・ポップとかチェンバー・ロックとか言うジャンルはあっても、バロック・ディスコやチェンバー・エレクトロはまだ存在しないね。この曲は結構当てはまると思うけど。
Survivors (Groovy Mix) - song and lyrics by Dark Model | Spotify
2023年2月21日
サン・ラ、ファンカデリック、EW&F、デトロイト・テクノからオクタヴィア・バトラー、ブラック・パンサーまでを繋ぐ思想「アフロ・フューチャリズム」を(ようやく)本の形で紹介したのは、イターシャ・L・ウォマック。この思想の根底にあるのは「ディアスポラ(民族離散)」の歴史。動機や理由は様々だが、ユダヤ人、中国人、インド人、ウクライナ人、そして日本人にも民族移動・離散の歴史がある。日本国内では悲しい位にスルーされるトピックだが。
Ytasha Womack - Afrofuturism Imagination and Humanity - YouTube
2023年2月20日
アルバム用の選曲は出来たので、ミックスダウンに取り掛かっています。作曲やレコーディングも難儀な作業だが、サウンドエンジニアリングも毎回骨が折れる。特に、作曲までの工程に比べるとミックスダウンははっきりとした答えがない分、作業が延々と続き泥沼にはまりやすい。ここをテンポ良く切り抜けられるかどうかで生産性が変わってくると思うが、僕は「まず終わらせる、コンプリートさせる」ことが大事だと思っている。明日の事は分からないし。
Melt the Night - song and lyrics by Lucas Arruda, Leon Ware | Spotify
2023年2月19日
Dark Modelという名前の割に意外かも知れないが、僕はディストピア的なシニシズムにはあまり肩入れしない。「暗黒で絶望的な未来」を描く小説や映画というのはとっくに新鮮な発想ではないし、現実がディストピアに突入する中で、「いかに食いしばって希望の持てるシナリオを描けるのか」という視座の方に興味がある。そういう意味でこのカイフ・リー(李開復)氏の懐が広く、楽観的すぎる位の未来観は刺激的。シニカルになるのは誰でも出来るが、社会を決して強くはしない。
カイフ・リー: AIによって私達は人間らしさを取り戻せる | TED Talk
2023年2月18日
S・プレスフィールド曰く、「本当の作家と作家志望を隔てる違いは、書く能力ではない。書き出すために、椅子に座るかどうかである。それを妨げるのは”レジスタンス(抵抗)”だ」。一言でまとめると、「プロはやるべきことを毎日の習慣に組み込めている」ということ。習慣化が出来れば後は勝手に滑り出す。個人的には絶妙なタイトル付けと、このシンプルな主旨を一冊の本に引き延ばす著者の能力に感心したりもする。
Steven Pressfield『The War of Art』| Amazon.co.jp
2023年2月17日
ラジオから今時えらく歯切れの良いギターが載った、タイトな人力ファンクが聞こえて来たと思ったら、なるほど納得の行くメンツだった。曲自体もそうだが、このパット・ペトリロの緻密で正確なドラムさばきは、デヴィッド・ガリバルディ(Tower of Power)を彷彿させる。こういうのを聴くと、僕はこれを完全一人制作で表現したくなる(笑)。昨日のMERの曲のように。
"48th Street" | The Pat Petrillo Big Rhythm Band feat. Nile Rodgers - YouTube
2023年2月16日
巷では80年代、90年代ブームが根強いが、僕にとって特別な年は1979年。翌年関西に転校して受験戦争の波に飲まれる(笑)前の福岡で、小学校最後の青春を謳歌する小4だった。商店街のプラモ屋まで自転車で通い、遠征の野球選手や相撲取りにサインをねだり、「ザ・ベストテン」や「大都会」などのテレビ番組を食い入るように見る。一昨年出したMER『Anti-Crime Breaks』の裏テーマは、実は「僕の1979年」なのです。
MER - Emergency on YouTube
2023年2月15日
渡米した当時、草間さんの「無限の網」は繰り返し読んだ。彼女が50年代にマンハッタンで体験したほどの「生き地獄」は味わわなかったにせよ、あの街が自分の世界観、というより人間そのものに対する見方を大きく変えたことは確か。NYはリベラルが集まる、多様性に寛容で進歩的な街のように言われるが、あの街で負けることや立ち止まることは許されす、一瞬たりとも気を抜けないという本質は今も全く変わっていないと思う。
無限の網―草間彌生自伝―(新潮文庫)| Amazon.co.jp
2023年2月13日
次のアルバムの内容が固まってきました。現在10曲程度を想定していて、ミックス違いを含めると15曲位の収録になりそうです。名義は恐らくOE。『New Classics』の2枚とDark Model『Impulse』の間を行くような感じになると思います。2月中に何とか完成させたいけど、年が明けてからぶっ通しで作業しているので、本当は一息入れて気分転換したいところ(笑)。
Spiral - song and lyrics by OE | Spotify
2023年2月12日
Blaster Beam(ブラスター・ビーム)という楽器をご存じだろうか。70年代末に「スタートレック」のスコアで初めて使用された、6メートル近くある巨大な弦楽器で、何とも言えない不吉で地響きのする低域の持続音や爆発音を奏でてくれる。シンセや音響処理ソフトウェアでの音楽制作に慣れ切ってしまった我々にとっては、「デジタル技術を駆使しても出ない音」があることを思い出させてくれる、ある意味崇高で、憧れの存在。
Blaster Beam is back with Craig Huxley - YouTube
2023年2月11日
日本の都市部の情報の過密さや娯楽の多さに比べるとNYやLAですら退屈、と言っても言い過ぎではないと思う。でも時間をかけて徐々に、退屈さや娯楽の選択肢が少ないことは生産性の上でとても大事なのだと理解できるようになった。作業の合間にふらっと本屋に出かけることが出来ないし、この曲の歌詞のように、深夜に薄いコーヒーが飲めるドーナツ屋もない(あっても物騒で行けない)ことで、アウトプットの量と「純度」がおのずと増えていく。
影になって - song and lyrics by Yuri Tanaka | Spotify
2023年2月10日
曾祖父母が第二次大戦時カリフォルニアの強制収容所に入れられていたことを聞いたのは、母が他界するほんの少し前。僕が渡米した後もなお先祖にアメリカ移民がいたことを全く知らなかったわけだが、母から聞いた僅かなエピソードの中で印象的だったのは、収容所での過酷な生活や人種差別を経てもなお、曾祖父はアメリカへの愛国心に溢れていたということ。僕にとって「二つの祖国」はもはや作り話ではない。
二つの祖国(新潮文庫)/山崎 豊子 | Amazon.co.jp
2023年2月9日
Spotifyから”Blend with your boo this Valentine’s Day”「今年のバレンタインデーは恋人とプレイリストを統合しよう」という案内が来た。いかにもSpotifyらしい言葉遣いだが、Merriam Webster 辞典によると、booが恋人の意味で使われるようになったのは1988年以降とか。ところで、下に紹介したJessie Wareの曲は今日発売らしいが、作風が自分っぽくて笑った。最近歌もの全然作っていないけど。
Pearls - song and lyrics by Jessie Ware | Spotify
2023年2月8日
ウェブで調べものをしているとしばしば辿り着くサイトがある。「The Marginalian」というブログで、以前は「Brain Pickings」と名乗っていた。ブルガリア出身の米移民 Maria Popova氏がインスパイアされた作家や科学者、アーティストにちなんだエピソードや考察を紹介していくもので、2006年開始以降、Facebookでは実に480万人のファンを集めている。創ること、考えることが好きな人におすすめ。
The Marginalian – Marginalia on our search for meaning.
2023年2月7日
その創作物が他人の期待や評価に応えるためではなく、自分の内なる声から出てきたものであれば、批判されようが無視されようが、気にする必要は全くないではないか?表現者にとっては、他人の声ではなく、自分の声が聞こえなくなることが一番の危機。という、普段自分が考えていることを、オーストリアの詩人リルケが120年近くも前に、もっと親切に、もっと洗練された文体で手紙に残していたと最近知って驚いた。
若き詩人への手紙・若き女性への手紙 改版/リルケ 新潮文庫 | Amazon.co.jp
2023年2月6日
日本人ならば、100の言葉を並べ立てるよりも、つかの間の沈黙の方がよほど重みがある時があることは理解できる。しかしこれはデジタルの世界や欧米人とのやり取りにおいては通用しない。黙る人は情報価値ゼロ、つまり「意見がない、考えてない」と見なす。インターネットでのコミュニケーションはその「沈黙の力」への無理解を大前提にして設計されてきた、ということは忘れられているように思う。「沈黙は金」って格言は一応あるんだけどね。
Recovery - song and lyrics by Rival Consoles | Spotify
2023年2月5日
「仮想現実の父」の異名を持つジャロン・ラニアーは、以前からソーシャルメディアの弊害を説き、インターネットの未来を起動修正しなければならないと説く。普段は饒舌な「有識者」達から、彼に近い危機意識を意外と聞かないのは、思想や派閥に関係なく一同に、「ソーシャルメディアが無くなると自分が困る」という恐怖心が先に来るからだろう。
ジャロン・ラニアー: インターネットをどう作り変えるべきか | TED Talk
2023年2月4日
深夜前に複数の消防車のサイレンがけたたましく鳴り響いた。近所で火事かなと思って外を見たら向かいの建物でボヤがあり、人が運び出されている。幸い僕自身は経験がないが、火事に遭った方の話はよく聞く。火災保険の算定が雑なのか、火事で逆に儲かったなんて人もいたが、それでも絶対に避けたい災難ではある。ところで、高校の頃自分でも変わったの聴いてんなーと思っていたこのファンク・チューン、アメリカでは国民的な有名曲だった。
The Ohio Players - Fire - YouTube
2023年2月3日
このリオン・ラッセル然り、僕の頭の中のレコード棚には、「どうやったらこんな良い曲が書けるんだろう」とかつて心を震わせた作曲家達が沢山いる。21世紀に差し掛かるまでの音楽業界はそういった「奇跡的な天才」を数多く輩出したが、今はそういったポテンシャルのある人達は別の分野で自分の才能を発揮するのかも知れない。彼等「青い鳥」は何処へ?
Bluebird - song and lyrics by Leon Russell | Spotify
2023年2月2日
久々にハヤカワ文庫のサイバーパンク小説を読んでいるのだが、この手の翻訳ものは(原書同様に)やたら読みづらくて、ストーリを追うのが難しい時がある。学生の頃バロウズ辺りに無理して挑んで、よく挫折をした記憶が甦る。読み手として思い切りケムに巻かれているわけだが、「リスナーをケムに巻く音楽」とはどういうものだろう?などと、いちいち音楽に置き替えて考えてしまうのは悪いクセ(笑)。
In Close Harmony - song and lyrics by Adrian Baker, Roy Morgan | Spotify
2023年2月1日
人生半ば過ぎると、否が応でも脳のメモリに過去の記憶が沢山蓄積されてくる。先日紹介したサミュエル・ウルマンの詩「青春」ではないが、精神的な若さや活力を保つには、記憶力が良くない方が得なのではないかとすら思う時がある。「思い出話は老化を防ぐ」という説もあるが、あえて思い出さないことで気持ちを前に向ける、つまり「今を生きるために、記憶を意図的に断捨離したり編集する」ことの効能は過小評価されているように感じる。
Joe Bonner - Bonner's Bounce (1975) - YouTube