日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2024年8月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2024年8月31日
セネカは「人は財産を奪われると激怒するのに、(労働や他人の怠慢で)自分の時間を奪われることに対しては恐ろしく鈍感だ」というような事を説いた。2000年経った今も、金銭や名声への執着や憧れはあっても、時間を有意義に使った人や、自分のための時間を確保できた人のストーリーに着目する機会は殆どない。
On the Shortness of Life: Book Summary, Key Lessons, and Best Quotes
2024年8月30日
アンドレ・レオン・タリーのドキュメンタリーは驚きの連続だった。彼がVogueにいた頃、アナ・ウィンターの用心棒なのかなと思うほど異質な存在感が印象的だったが、実際はアナよりもずっと前にファッションの世界に精通し、芸術や文学をこよなく愛する、文字通り「美の巨人」だったようだ。彼の歩んできた軌跡を知り、その葛藤と疎外感は並大抵ではなかったろうと察する。
映画『アンドレ・レオン・タリー 美学の追求者』予告編 - YouTube
2024年8月29日
人間ドックに行くと「以前何か激しい運動とかしていましたか?」と聞かれる位に血圧が低い。ここ最近血圧計を買う機会があったので試しに計ってみたが、いつも通り低い。高血圧よりは問題が少なさそうだから心配はしていないのだけど、自分でも不思議なのは、昔から作る音楽のテンションだけは高いこと(笑)。というわけでアドレナリンが回るプレイリストを作りました。
Don't Give Up, Don't Give In - playlist by Model Electronic Records | Spotify
2024年8月28日
我々「非ネイティブ」が話す英語は”Bad English”であり、米英などのネイティブ・スピーカーの発音や話し方に矯正していくことが「上達」であるという強迫観念を抱きやすい。ヘザー・ハンセン(米)は、非ネイティブ・スピーカーが今やネイティブの3倍以上存在する事実をふまえ、将来的なコミュニケーションの視点からその固定観念に疑問を投げかける。画期的な指摘。
Why Nonnative English Speakers Actually Speak The Best English : NPR
2024年8月27日
Dark Model『Flashback』をリリースして丁度5年になる。「Tougher Than Steel」をはじめとしてギターをフィーチャしたロック色の強い曲が多いからか、このアルバムの収録曲は、アメリカではUFCのような格闘技の番組で、日本ではスポーツ中継などで頻繁に使用されている。仕事や試合で気合を入れたい時に聴くと、心の筋肉が増えます。
Flashback - Album by Dark Model | Spotify
2024年8月26日
The Atlanticの編集者デレク・トンプソンは、人間は繰り返し接触するもの=「馴染み」のあるものが好きになる傾向があり、そこに新しさや驚きのひねりを加えることがヒットの秘訣だと説く。データサイエンティストやアルゴリズム設計者には好都合かも知れないが、この方法論を安易に突き進めると、世界中がコモディティ化や画一化で埋め尽くされてしまうだろう。
何でも売れる4文字のコード | デレク・トンプソン - TED
2024年8月25日
遅ればせながら、7月のマイクロブログのアーカイブをアップしました。今月は制作以外で結構やるべき事が多かったです。来月から次の作品創りに取り掛かろうと思っているのだけど、創りたい物が沢山あるので、そのプランを考えながら眠りに就くのが毎晩の楽しみ。
マイクロブログ・アーカイブズ 2024年7月 - Japanese Blog -
2024年8月24日
エスティ・ローダーという化粧品ブランドは大変有名だけど、設立者の彼女の生い立ちや起業の経緯については、実はあまり知られていないように思う。科学者の叔父が作ったクリームに魅せられその販売をはじめた彼女の、美に対する哲学と商売人としての執念の物語は映画化されてもおかしくないほどドラマに満ちている。Netflixあたりでお願いします(笑)。
Estee Lauder Biography: See the Makeup Mogul's Success Story | Entrepreneur
2024年8月23日
Model Electronic RecordsとしてSpotifyのアカウントを作りました。プライベートでは別のストリーミングサービスを使っているのでSpotifyを深堀りしたことはなかったけど、プレイリストがダントツに充実しているのは確か。自分の楽曲をテーマ別、シーン別に楽しんでもらうことに目的を絞ってプレイリストを作っていきます。Spotifyユーザーの方はフォローをご検討下さい。
Model Electronic Records on SpotifyModel Electronic Records on Spotify
2024年8月22日
普段仕事の合間はジャズかブラジル音楽を聴いていることが多いけど、この数日はトレヴァー・ピノックのハープシコード演奏を聴いている。僕が子供の頃からバロック音楽が好きなのは、このハープシコード(チェンバロ)のパーカッシブな響きと奏法に魅力を感じるからだと思う。
Suite in A Minor (1706) : III. Gigue(ジャン=フィリップ・ラモー)
2024年8月21日
松岡正剛さんの著書の何冊かは今も読み返す機会があるので、彼の訃報に驚いた。立花隆氏の死もショックだったが、自己顕示欲丸出しの「知ったかぶり」ばかりが跋扈する中、丁寧に本を読み、調べ、冷静に思考し、耐久性のある文章を書ける正真正銘の知性が日本から消滅しつつあることを心から残念に思う。謹んで哀悼の意を表します。
『日本文化の核心 「ジャパン・スタイル」を読み解く』- 松岡正剛 | 講談社
2024年8月20日
新たにノイズキャンセリング・イヤホンを購入。BeatsやSonyなど王道ブランドを一通り使ってみた後に、運動や就寝用に中国メーカーのものをもう何個目か分からない位に買っている。Ankerは以前ロボット掃除機を使っていたけど、イヤホンも当たりだった。目下の関心は非常時用のポータブル電源。
Anker 521 Portable Power Station - YouTube
2024年8月19日
自分の曲がライセンス使用されている映像を見て、意外な発見やフィードバックが得られることがある。トルコの調理器具メーカーの企業PRとして作られた映像にDark Modelの『I Will Return』が使用されているのだが、最初見た時は、オフィスから調理、工場のシーンまで、音楽一つで全てがえらくドラマティックな戦場と化してしまっていることに驚いた。
Silverline Ankastre Tanıtım Filmi - YouTube
2024年8月18日
トピックスのページでお伝えしたように、MERとして『Cyber City Connection』をリリースします。初披露の曲が大半を占めますが、制作期間は実は10年以上に及ぶ、シンセウェイブ、シンセポップ、エレクトロニック・ファンク的な楽曲の集大成アルバムになっています。昨今の欧米発のサイバーパンク物に近づき過ぎず、独自の解釈と時代観で作りました。
MER『Cyber City Connection: Urban Synthwave and Electro Funk』9月20日発売
2024年8月17日
今から70年近く前にウォルト・ディズニーが作った「シナジー・マップ」をご存知だろうか。この図に圧倒的な迫力があるのは、コンサルタントがクライアントに講釈を垂れるための「絵に描いた餅」とは違って、資金繰りと作品の成功の浮き沈みに悩まされながらも収益源を見出し、死に物狂いで客に夢を提供し続けた当事者の「頭の中身そのもの」だから。
Walt Disney's Strategy in 1957 Drawing - Business Insider
2024年8月16日
僕は随分前から全てのプラットフォームとは距離を置いている。コンテンツ(という呼び方にも抵抗がある)を作り、所有する側にとって、配信サービスやプラットフォームのどの辺りに問題や違和感を感じるかについて書いたら一冊の本が出来るだろう。それはともかく、2000年代後半から続くテックと音楽ビジネスの関係は、次のターニングポイントに差し掛かっていると思う。
SoundCloudが身売り検討。才能を育むコミュニティのない未来をアーティストたちが危惧 | WIRED.jp
2024年8月15日
ふとしたきっかけで渡辺貞夫さんが出演した番組『私の履歴書』の動画を見た。その一見華やかに見えるジャズ人生の陰には猛烈な努力の裏付けがあったことを再認識。僕は80年代の彼の大ブレイクをリアルタイムで目撃した一人だが、インストゥルメンタルの音楽が日常的にメディアで紹介され、チャートを席巻する時代があったということが、今となっては信じがたい。
Sadao Watanabe Quintet & Masayuki Takayanagi (1972) Jazz/Jazz-Rock
2024年8月14日
バート・バカラックの名曲『A house is not a home』は、高級娼館を経営したマダム、ポリー・アドラーの小説を基にした同名映画の主題歌だった。チラリと見てみたが、1920年代のNYの裏社会を赤裸々に描いた映画とこの曲のロマンティックさのギャップに驚く。それにしてもこの曲は音程を正確に追いかけるのが大変な難曲で、軽く口ずさむだけで自滅する。
Ella Fitzgerald: A House Is Not A Home (1969) - YouTube
2024年8月13日
僕は旅行が好きなので、国を問わず旅案内の番組や動画をよく見る。ただいつも思うのは、CNNの様な国際ネットワークを除けば、アメリカには殆ど海外旅行を扱う番組がない。AIに理由を聞いたら「教育のお陰で他国に関心を持たず、グローバルな視野が育っていないから」「国内で間に合ってるから」「海外は犯罪の温床だという恐怖感があるから」とシビアな分析が。
Why Americans STILL Aren't Traveling Overseas
2024年8月12日
テレビ越しに見るからか、成人になってもしばらくの間甲子園の高校野球児が大人びて見えた。今彼らがとてもあどけなく見えるのは、さすがに自分も年を重ねたということだろう。選手も監督も皆日焼けして真っ黒なのが印象的だが、僕も長年毎日ウォーキングをしているお陰で、足と腕はこれまでの人生で最高に黒い。ん、なんだろう?この話(笑)。
【夏の甲子園】バーチャル高校野球 | スポーツブル
2024年8月11日
自分が「コンフォートゾーン(快適領域)に安住していないか、自分の生活習慣や常識から抜け出て新しいことに挑んでいるかどうかを時折確認するのは大事。僕自身もついつい得意な方や恐怖感の少ない方を選択して「易きに流れる」時が往々にしてある。「Discomfort(不快感、違和感)は成長のチャンス」これを肝に銘じて今週も頑張ります。
TED「快適さが人をダメにするのはなぜか」| ビル・エクストロム
2024年8月10日
先日のデータ整理の作業は一段落ついたので、未発表曲のチェックと修正に取り掛かっている。スケッチ段階で止まったままの曲から、ほぼ完成しているのにアルバムに収録しなかった曲まで、自分すら忘れていた曲を発掘した時の喜びは、へそくりを見つけた時の感覚に近いかも。「かも」というのは、へそくりをしたことがないから(笑)
OE - Tessera - YouTube
2024年8月9日
『ポツンと一軒家』という人気番組があるけれど、アメリカのアリゾナ辺りには「ポツンとモダンな家」が結構あって、そういう物件を見つけては一体どんな暮らしをしているのか想像するのが楽しい。暑い時40度を超える気候の場所に住むのは現実的には難しいが、フェニックスの建築家Wendell Burnette氏の作品は現実離れしていて、見ていて気持ちがいい。
Awesome Modern Home With Spacious Desert Yard - YouTube
2024年8月8日
30年前の事を思い出すのは簡単だが、30年後の事を、しかも楽しい30年後を思い描くのは割と「訓練」が要る。世間は未来を暗い方向に誘導しがちだけど、時代なんていつだって明るくて暗く、楽しくて残酷だった。パーセプション(物の見方)も筋肉と同じで、日々そこそこ負荷をかけて鍛えていないと、すぐ衰えるし、消極思考になる。
(1080p)1992年の東京の日常風景 - YouTube
2024年8月7日
楽曲データの整理から税金の計算まで、エクセルを使う機会はそこそこある。このところ地味で膨大なスプレッドシートに取り組んでいるので、これはマクロを組んだ方が早いんじゃないかと思ってPerplexityの助けを借りつつVBAのコードを書いてみたのだけど、バグもないのになぜか期待通りに実行されない。近く真面目に勉強する時間を確保した方が良さそう。
OE - Dance of Shadows
2024年8月6日
AIの「モデル崩壊」というのが話題になっている。類型化を繰り返して劣化に向かう「負のループ」はAIうんぬん以前にリアルな世界で起こっている事で、エンタテインメント産業も例外ではない。ただ劣化や堕落が起こる一方で、どこかで誰かが革新的な創造や発見、問題提起をしてゲームの流れが変わり、全体としては世界は何とか前に進む。そこが人間の面白いところ。
AI models collapse when trained on recursively generated data | Nature
2024年8月5日
ふとパスカルとモンテーニュのことを思い出した。僕は『エセー』で見られるようなモンテーニュの大らかな姿勢は割と好きなのだけど、「自己愛」を忌み嫌う(?)パスカルにとっては、彼の自意識過剰な態度が気に障ったらしい。ただ僕は、他人に執拗に噛みつき批判するパスカルにもまた、膨張した自己愛を感じる。自分の話も、他人の話もほどほどにして、創造をしよう。
パスカル『パンセ』Amazon.co.jp
2024年8月4日
テクノロジーの進化が逆に人間を退化させている(部分もある)というのは常々、特にコロナ以降に感じることが増えた。シリコンバレーやテックが少し奇妙な世界観にシフトしていて、もう臨界点に来ているようにも見える。音楽史家のテッド・ジョイアは、その現代の「奇妙さ」の事例を52も採り上げていて、かなりの部分頷ける。
52 Reasons to Fear that Technological Progress Is Reversing
2024年8月3日
散歩の時にヘンリー・フォードの自伝『My Life and Work』のオーディオブックを聴いている。100年以上前の本なので言い回しが堅いけど、含蓄に富む言葉が楽しめる。「ビジネスでお金を稼ぐよりも、お金でお金を稼ぐ方がたやすい。お金の事しか知らない人にビジネスのアドバイスを求めてはいけない」これをはっきり言える人は意外と少ない。
HENRY FORD Autobiography - My Life and Work | Animated Book Summary
2024年8月2日
本日OE『Composition in Light』が発売・配信されました。このサイトのTopicsのページに各ストア、ストリーミングサービスのリンクを紹介したので、是非立ち寄ってみて下さい。
Compositions in Light - Album by OE - Apple Music
2024年8月1日
昨日の燃料電池とは全く畑が違うが、マーベルも長い間金策にあえぎ、大手スタジオや資本家に揉まれながら修羅場を潜りぬけて来た会社。今や資本もネットワークも潤沢で王者の風格すら漂うのに、それぞれのスーパーヒーローを応援する様に、マーベル自体が「判官びいき」をしたい存在で居続けているのはなぜだろう。
MARVEL 倒産から逆転No.1となった映画会社の知られざる秘密 | Amazon.co.jp