日々のつれづれと、その日のお気に入りを紹介するマイクロブログ『Day By Day』を月別にまとめたページです。今回は2024年4月分を紹介。最新の投稿は https://www.tatsuyaoe.com/microblog/ にて。
2024年4月30日
Kindleで途中まで読んで機会を失っていた、故アンドリュー・グローヴ(元インテル経営者)の『Swimming Across: A Memoir』を10年振りに読んでいる。ハンガリー生まれのユダヤ人の彼が差別と動乱をくぐり抜け、命からがらニューヨークに辿り着く少年時代の話は、故郷を同じくするジョージ・ソロスの壮絶な体験記と重なる。
Swimming Across: A Memoir by Andrew S. Grove | Amazon.co.jp
2024年4月29日
錚錚たるミュージシャン達の楽曲の権利を買い占めるUKの音楽出版社ヒプノシス・ソングスの動きは、長らく音楽業界の台風の目となっていた。予想通り、散々買い散らかした揚げ句の売却話が出てきた。一連の流れに乗ったミュージシャンは「終活」よろしく自分の音楽を希望「価格」で売り抜けたかも知れないが、「価値」を守る人は何処に。
ブラックストーン、ヒプノシス買収合戦で15.7億ドル規模の提案 - Bloomberg
2024年4月28日
英単語を調べる時によく使うオンライン辞書 Merriam Webster(メリアム=ウェブスター)が『Word of the Day(今日の単語)』というポッドキャストを提供している。結構難易度が高くて、週に一度は全く知らない単語に出会って苦戦する。今日の単語 ken はスコットランドで「知識」という意味らしいが、人の名前でしか聞いたことがない(笑)。
Word of the Day: Ken | Merriam-Webster
2024年4月27日
少し前にHBO Maxで放送していた、ボールルーム・ダンス(ヴォーギング)のコンペティション番組『Legendary』で、僕のDark Model名義の曲が使われていたらしい。紹介した動画のエピソードで使われているようだけど、残念ながらこのシーンではなさそう。ヴォーギングがこんなにアクロバティックなダンスに進化していることに驚き。
Legendary - S01E01 - Welcome to My House Mashup - YouTube
2024年4月26日
天才チェス少年の話をしたが、「天賦の才能」とか「ギフテッド」と世間が騒ぐ風潮は、実は好きではない。ジョシュ本人も言うように、何らかの才能が生まれつき備わっていても、鍛錬とレジリエンス(回復力)なしには、逆境を乗り越えることはできない。両足義足の元アスリート、エイミー・マリンズは、逆境こそが可能性であり、チャンスなのだと説く。
エイミー・マリンズ: 逆境から生まれる機会 | TED Talk
2024年4月25日
映画『ボビーフィッシャーを探して』の主人公ジョシュ・ウェイツキンは実在する人物で、彼は天才チェス少年として名をはせた後、マーシャルアーツの世界でも華々しい実績を残している。最近映画を再び見たが、「無邪気にチェスに惹かれる子供を型にはめ、危うく才能を台無しにしかける大人達」という構造が見ていて痛々しい。大人ってなんでいつもこうなんだろう。
How to Cram 2 Months of Learning into 1 Day | Josh Waitzkin | The Tim Ferriss Show - YouTube
2024年4月24日
現在作っている曲のタイトルを練っている時に、昔見た映画『The Mission』(’86)の事を考えていたら、この映画に触発されて取材・執筆したという立花隆氏の未完の著書『インディオの聖像』を思い出した。宗教、文化、そして侵略。人間の業の本質は本や映画からだけでは決して分からないが、南米の伝道村に踏み込んだ彼のレポートを読めるのは貴重。
『インディオの聖像』立花隆 佐々木芳郎 | Amazon.co.jp
2024年4月23日
日本の映画、特に最近のものを殆ど見ない理由の一つが、「怒鳴る」「叫ぶ」シーンが多いこと。アメリカ映画は不必要に銃を使うのと言葉が下品なのが困るけど、「エモーショナル=声を荒げて威圧、威嚇する」という演技表現は随分前に消えた。根底にあるのは娯楽や文化レベルの問題ではなくて、昔から変わらない人権や教育など社会レベルの問題だと思う。
Why are characters in Japanese movies or cartoons always yelling, screaming, and behaving so theatrically?- Quora
2024年4月22日
コロナ禍で旅行や渡航が難しかった頃、旅行会社が企画したバーチャルツアーの案内がよく送られてきた。家にいながら様々な場所への旅を疑似体験できるサービスやウェブサイトが沢山登場したが、その中でも米ヨセミテ国立公園の「Virtual Yosemite」は壮大さの点で群を抜いていて、眺めているだけで日常の些末な事を吹き飛ばしてくれる。
Virtual Yosemite: Gates of the Valley | Sierra News Online
2024年4月21日
科学誌Natureの「Food is medicine(医食同源)」という特集記事を読んだ。エクストラオリーブオイルとナッツに代表される「地中海式」の食事が心臓疾患や糖尿病の予防に効くとか、野菜中心で低脂肪の食事が良いというのはよく知られているし、自分も結構実践している。ただ、何であれ「生き甲斐」を持って生きる事こそが一番の薬だと思うなあ。
Food is medicine | Nature
2024年4月20日
超多作な作家で知られたアイザック・アシモフは、「なぜ時間を過去に設定した本を書かないのか?」と聞かれて、「過去を書くには下調べが必要になる。自分で捏造できる未来と自分が既に知っている現在に絞って書いた方が生産的だよ。」と答えたとか。アウトプットで飯を食う自分にとっては示唆に富む話だけど、彼の場合「既に知っている事」が膨大だった。
Isaac Asimov Predicts The Future In 1982. Was He Correct? - YouTube
2024年4月19日
海岸沿いをランニングしていた頃、沖でフォイルサーフィンをしている人をよく見かけた。普通のサーフィンよりも動きが遥かにスムーズで、空中を滑っているかのように見えたので、最初は「あの未来から来た波乗りみたいなのは一体何なんだ?」と、不思議で仕方がなかった。相当な修練が必要だろうけど、達人が乗りこなしている姿を見るのは、とても楽しい。
Epic Big Wave Surf Foiling in Nazare w/ Laird Hamiton, Terry Chung, Luca Padua & Benny Ferris - YouTube
2024年4月18日
明日はCaptain Funk『Heavy Metal (Deluxe Edition)』『Instrumentals』の発売日です。各ダウンロード、ストリーミングサービスへのリンクを明日以降アップしますので、購入や試聴の参考にして下さい!目下次のリリースのフィニッシュ作業に取り掛かっていますが、毎回この、やってもやっても終わらない「沼の段階」を抜けるのに苦労する(笑)。
Captain Funk『Heavy Metal (Deluxe Edition)』『Instrumentals』2024年4月19日同時リリース | タツヤ・オオエ(ダーク・モデル/キャプテン・ファンク)
2024年4月17日
ジェイ・ファローというコメディアンの物真似を時々無性に見たくなる。僕が一番好きなのはJay-Zの真似なのだが、守備範囲が広くて、最近はオバマとバイデンをセットで真似ていて驚いた。物真似はもちろん「似ている」ことが大前提だけど、真似る対象に対しての「リスペクト」と「悪意」のどちらが強いかで、笑いの質が変わってくるように思う。
Jay Pharoah Acts Out Jay-Z and Beyoncé Selling Clothes on QVC
2024年4月16日
ロバート・グリーン曰く、人間の愚かさは「無知(知らないこと)」から来るのではなくて、「生半可に知っていること」、もっと言うと「自分は分かっている」という慢心から来る。専門外の領域まで首を突っ込み「ご意見番」や「事情通」のふりをしたり、注目を集めたがる知ったかぶりに溢れかえっている昨今、潔く「知らないものは知らない」と言える人は貴重。
The Origin of Human Stupidity - YouTube
2024年4月14日
「展望記憶」という言葉があるらしい。過去は放っておいても覚えているものだが、自分にとっての理想的な未来を描き、その未来を度々振り返ることが出来るように「メモライズする」ことは意外とやらない。ところで、記憶には「色」があって、自分次第で塗り替えることが出来るように思うんだけど、記憶の「共感覚」について研究してる人はいるのだろうか。
「共感覚」の持ち主には、世界がこんなに違って見えていた | 現代ビジネス | 講談社
2024年4月13日
内容的には20年後に再び読んでみたい感じではあったけれど、このヘルマン・ヘッセの著書のタイトルには頷ける部分がある。若い頃にあった虚無感や冷笑的な考え方から脱却して、というか煩雑な世事が本当にどうでも良くなって、自分にとって大事な事柄に、素直に意識を集中できるようになった。「若い」というより「健全」ということかも知れない。
人は成熟するにつれて若くなる/ヘルマン・ヘッセ | Amazon.co.jp
2024年4月12日
“House is not a home” という名曲があるけれど、転勤族の家庭に生まれ、その後も国内外を転々としてきた僕にとって「家」とか「故郷」は場所や建物ではない。「Home」は、あくまで自分の記憶の中にある愛着や拠り所、郷愁といった概念や感情であって、いつも持ち歩いてる(笑)。鳥は、自分の住処=「巣」に愛着や郷愁を感じたりするのかな?
Home - Isabelle Simler | Amazon.co.jp
2024年4月11日
海沿いの生活が好きで色々と移り住んではみたが、気候や土地の安定性、そして利便性や治安まで、現実的には内陸部に住むよりも取り組むべき課題がはるかに多い。以前話題になった英国の「崖にポツンとモダンな邸宅」プロジェクトは、徐々に陥没してきたので格安で売りに出したらしい。まずはコンテナとか負担の軽い方法で試した方が良かったかも。
Clifftop Grand Designs home that's very slowly falling into the sea goes up for sale - Wales Online
2024年4月10日
自分の楽曲を制作し育てていくことは、農業や園芸に似たところが「少しだけ」ある。カレル・チャペックの『園芸家の一年』は、小説家らしい自嘲的なユーモアが楽しい一方で、「(素人)園芸家は、花を育てるのではなくて、土を育てる人間だ」というくだりに、彼が園芸に取り組む意味と姿勢、そして報われ方が集約されている。自分にとっての「土」とは何だ?
園芸家の一年 - 平凡社 | Amazon.co.jp
2024年4月9日
本や記事を読んでいて遭遇した英単語やイディオムをEvernoteに書き留めはじめて十数年になるのだが、そのメモを反復記憶するのをサボっているせいで、検索すると「過去に調べてた!」という事態に出くわすことが多い。そこで「一度調べたものは最低限覚えた」という状態にすべく、毎日時間を割くことに。でないと書き留めた膨大な作業が無駄になるからね。
「習うは一生」(ならうはいっしょう)の意味
2024年4月8日
昨日ヘンリー・ストーンの事を書いたので彼の手がけた作品を1曲紹介。ギタリスト兼シンガーのLittle Beaver(Willie Hale)のレパートリーで一番有名なのはこの曲だろう。大学の帰りに寄った下北沢のソウルレコード屋でこのアルバムを手に入れて、毎日の様に聴いていた。下北といえばクラブチッタのライブのスタジオリハで行ったのが最後だから、随分前…。
Party Down (Pt. 1) - YouTube
2024年4月7日
マイアミを拠点にした伝説的ディスコ・レーベルTK Recordsの設立者ヘンリー・ストーンのドキュメンタリーが作られていたことを最近知った。ただ残念なことに、このドキュメンタリーの全編を見られる手段が無い。彼は既に他界しているので、権利のクリアランスや遺族との交渉が難航しているのかも知れないが、是非見てみたい映画の一つではある。
Arizona International Film Festival - The Record Man
2024年4月6日
故ホーキング博士の「特異点(シンギュラリティ)定理」について理解しているか?言われるとお手上げだけど、彼の理論にインスパイアされて創ったマリー・ハウのこの詩の美しさなら理解できる。ニューヨーク州の桂冠(名誉)詩人にも選ばれた彼女の、自然や地球といった我々の「Home」に思いを馳せて綴った言葉達。幻想的なアニメーションと共に癒される。
“Singularity after Stephen Hawking” by Marie Howe - YouTube
2024年4月5日
’96年から97年にかけて制作した曲を集めてチェックしている。今日になって、当時書き留めていたノートをPDFで残していたことを思い出した。驚いたのは、当時まだ会社勤めをしていたのに一日1曲ペースで創作のスケッチに取り組んでいたこと。作曲を始めた頃はテンポの速いテクノが中心だったが、’97年夏頃から、メモに「ファンク」という言葉を連発しているのが微笑ましい。
Captain Funk – Encounter with… | ディスコグラフィ
2024年4月4日
ソーシャルメディアはまれに告知用に使う程度で、誰かとコミュニケーションを取る目的で使ったのは十数年前が最後だと思う。その頃、Social Media Examinerというマーケティングサイトをよく参照していたのだが、久々に訪れると「中小企業はソーシャルメディアから身を引いた方が賢明かも」という、正直不動産ばりに正直な記事が掲載されていて、時の流れを感じた。
Say Goodbye to Social Media : Social Media Examiner
2024年4月3日
夜iPhoneでポッドキャストを聴きながら就寝することが多いのだが、面白い事に、夢に登場する人物が日本人であっても、会話が英語になる。たまに関西の芸人のトークを聴きながら眠ると、夢に出てくる相手が英語しか通じないアメリカ人でも、なぜか自分は関西弁を喋っている(笑)。この『Chasing Life』というCNNのポッドキャストは、好きな番組の一つ。
Chasing Life with Dr. Sanjay Gupta - Podcast on CNN
2024年4月2日
今月(2024年4月)より、僕の自主管理楽曲(500曲弱)の国内における著作権管理の委託先(PRO)をJASRACからNexToneに移行しました。海外テリトリーでの使用に関する管理は引き続きJASRACが行います。詳細はTopicsのページをご参照下さい。心機一転、これまで以上に創作に励んでいきます!
国内における著作権管理団体の変更のお知らせ - tatsuyaoe.com
2024年4月1日
創作物が躊躇なく「コンテンツ」と呼ばれるようになって久しいが、僕はこの名称にはまだ違和感があるし、その違和感を持ち続けていたいと思う。創作物を(生成AIのための)「データ」とドライに呼ぶのは、違和感どころか「不遜」だとすら感じる。「一次情報、二次情報」という分類法にも抵抗はあるけれど、少なくとも自分は「Primary Sources」の創作にこだわり続けたい。
Primary vs. Secondary Sources | Difference & Examples