新年明けましておめでとうございます。
昨年はDark Modelのセカンド・アルバムの制作を中心に、かなり慌ただしい1年でした。渡米後4年目に入り、ニューヨークそしてアメリカという国の良さも悪さもリアリティを持って(=自分事として)理解し、それに上手に対処できるようになってきたことは大きな進歩だと思います。
昨年の大統領選挙の結果と今後の政治に関しては憂慮するところが大きく、そのプロセスを通じてアメリカの意外な盲点や脆さもよく見えてきましたが、それでもまだこの国に希望が持てるのは、ここにいる人一人ひとりの考え方や行動パターン、能力があまりにバラバラで、何をするにしても何を言うにしても一つにまとまることもまとめることも出来ないという「ばらつき」が、時に大きな強みにもなりうるところです。「個性」などという生やさしいレベルではなく、人種や宗教といったデモグラフィックで一刀両断できるほど分かりやすくもなく、生き物としてそれぞれが違う。そうした寛大な理解もしくはあきらめ(笑)、時には闘争心や危機意識を交えながら生き残ろう・繁栄しようとする意志が、最近よく言われる「レジリエンス(弾力性、回復力)」を個人レベル、国レベルで育てていくのだと思います。ここ最近アメリカやヨーロッパの各国で起こっている排他的な現象は、様々なショックや外からの負荷に耐えられるほどの免疫力が、現時点ではまだ備わっていない人が大半であるということの現れではないでしょうか。
ばらつきや振れ幅の大きさに慣れ、それをゲームやスポーツの様に楽しめるようになるまで自分のキャパシティを広げ、心身をタフにしておく。そのことを心がけています。
2017年はさらに振れ幅の大きい年になるかも知れませんが、皆さんが充実した一年を送れることを祈っています。今年もよろしくお願いします。