昨日一つ制作が終わりました。先日少し書いた、ある化粧品メーカーのグローバルCMの音楽制作ですが、最終的に6ヶ国語のナレーションがついて、中国・韓国・台湾・香港、そしてタイで放映されるそうです。日本の企業が海外、特にアジアに進出することは珍しくないですが、テレビでの広告キャンペーンを同一素材で(ナレーションのみのローカライズで)実施する事例はまだまだ非常に少ないので、この新しい試みに参加させて頂いたことを嬉しく思います。今回もクリエイティブ面でハードルの高い仕事でしたが、かなり良いものに仕上がったのではないかと。オンエアなど詳細決まりましたらまた報告しますね。
あと、少しの間休眠していた(笑)Playmodelプロジェクトの方も、先週から次の構想を練り始めました。最初に制作した数曲の雰囲気を受け継ぎつつも、さらにコンセプトを絞り込んでいくつもりです。Captain Funk に関してもそうですが、僕はダンスミュージックを作る時は、ある種の空気感とか時代感、さらには自分ならではの「クセ」をきちんと盛り込むことを重視しています。音の質感を2010年(=最新)対応にすることも心がけていますが、そのことばかりを意識して凡庸なダンスミュージックになってしまったら自分が創作する意味がなくなりますからね。ダンスミュージックは作家性よりもスタイル、汎用性が優先される部分がありますが、それだけではありません。その人なりのグルーヴや空気感が必ず1曲1曲に込められている。その微妙な部分もダンスミュージックの魅力ではないかと思います。
型を洗練させること、型を壊すこと、新しい型を創ること。それぞれのプロジェクトでいつもそんな事を考えながら仕事を楽しんでいられるというのは幸せなことです。型を押し付けられることに特に抵抗感の強い僕にとっては、そのサイクルを死守する事がとても大事なのです。
最後に、僕のディスコ・フェイバリット(何百とありますが、笑)の一つの Ish “Don’t Stop” (アルバム「Ish」収録)を紹介します。プロデューサーのIsh Ledesma はOXO (“Whirly Girl”) やFoxy (“Get Off”) など、幾つか有名なバンドを手掛けていた才人ですが、今ひとつ知名度がなく、再評価の兆しもないのが残念です。この “Don’t Stop” が収録されているアルバムの “Ish” は、1曲目の”Let’s Make Love“が70年代末期に日本でもかなりヒットしたディスコクラシックということで、僕もその曲目当てで大学生の頃にアルバムを購入したのですが、今の気分にはミッドテンポでメローな “Don’t Stop” の方が合うかも知れません。これは僕の勝手な推測ですが、Wham!のこれまた僕のフェイバリット “Everything She Wants“(iTunes)はここからインスパイアされたのかなとも思ったりしています。