(オリジナル)Dark Model (Tatsuya Oe) Interview/Q&A http://www.independentmusicawards.com/ima/dark-model
Dark Model インタビュー 第一部
Dark Model インタビュー 第二部
Q: 普段新しい音楽をどうやって発見しますか?音楽を購入しますか、それともストリーミングで満足しますか?
A: 私はまだCDやダウンロードで音楽を購入します。ただその頻度は以前より少なくなっています(私は以前1万枚以上のアナログレコードとCDを所有する、熱心なクレート・ディガー/コレクターでした)。新しい音楽を発見する方法は様々です。仕事仲間や知り合いを通じて知ることはもちろん、日々新しい音楽が自分の耳に入ってきますが、全くのセレンディピティ(偶然巡り会う)としか言いようがないことも多いです。
Q: ファンがこのまま音楽が無料になることを期待し続けるとすれば、ミュージシャンはどうやってお金を稼いで(食べて)いくのでしょうか?
A: 私は全ての音楽ファンが音楽が無料になることを期待しているとは全然思いません。私のファンの多くは今もCDを購入してくれていますし、私同様フィジカルな商品の価値を評価している人は沢山います。ミュージシャンと一口に言っても、他の商売(個人的に「仕事(ジョブ)」という言葉は好きではありません)と同じで、そのビジネスモデルや、「食べていく」という言葉が本当に意味するものは人によって異なると思います。多くの人が、全てのミュージシャンが一つの同じビジネスモデルに則って仕事をしていて、全員が同じ運命を辿るかのような幻想を抱いていますが、我々はそれがいかに本当ではないかということにますます気がつき始めているのではないでしょうか。
Q: 今日の音楽業界についてファン、オーディエンスが理解していない部分はどこでしょうか?
A: 基本的に、私は音楽ファンやオーディエンスが音楽業界の仕組みや内情を理解する必要はそもそもないし、誤解があったとしてもそれを正しく理解し直す必要もないと思っています(音楽業界に入りたいと思っている訳でもない限り)。それは我々もまた消費者であるという見方で考えた場合、自分が所属していない業界の仕組みを理解する必要もないし、誤解を正す必要もないのと同じです。
一番大事なのはファンやオーディエンスが自分の共感できる音楽、琴線に触れ、何かを感じることが出来る音楽にコネクトし続けられることですから、その音楽と繋がりを築いていく上で、彼らがもっと複雑なビジネスサイドの事を知る必要はありません。彼らに必要なのはただ自分自身のテイストや価値に基いて音楽を選び、楽しみ、消費することだけだと思います。
一方で、我々ミュージシャンにとっては、音楽ビジネスはまさに「ビジネス」であって、趣味でもボランティアの機会でもありません。常に新しくてクリエイティブな稼ぎ方を見出して黒字でい続けない限り、我々のゲームは終わってしまいます。利益を上げられなくなったその日に、音楽(活動)は終わります。とは言うものの、そのことをファンやオーディエンスに「理解」してもらうことを期待すべきだというのは、間違っていると思います。
Q: 「デジタル・シングル/EP」対「フル・アルバム」、どちらに未来がありますか?
A: 私はどんなフォーマット・形態でも受け入れます。アーティストの立場から言えば、フル・アルバムの美学、価値を評価しています(だからこうしてフル・アルバムの形でリリースしているのです)が、フォーマットを選ぶ責任は私の手の中にはありません。それはオーディエンス(消費者)が決めることであって、私はその流れに従って行動します。とはいえ、自分と同じような感性の人達が存在する限りは、フル・アルバムという形態が時代遅れになって消滅するということはないはずです。
Q: この言葉に続けて文章を完成させて下さい。「音楽業界とは…」
A: 「(音楽業界とは、)興味がない用語です。」私は20年近くにわたって音楽ビジネスと関わっていますが、自分がある特定の「業界」に所属していると考えたことはありません。(だから我々もこの賞も、誇りを持って「インディペンデント」なわけですよね?)
自分の音楽を通じて、私はまた広告業界、映画業界、テクノロジー業界、その他音楽と繋がる様々な分野の人達と仕事をしています。音楽に関するビジネスというのはユビキタス(あらゆるところに存在するもの)ですし、弾力性があって柔軟なものなので、音楽「業界」という言葉が何を意味するのかや、自分がそこに所属しているかどうかについては、興味がありません。
Q: 来る年に向けて、何に取り組んでいますか?
A: 現在Dark Modelのセカンド・アルバムに取り組んでいます。今年の終わりまでにリリース出来るといいですね。