Dark Modelでは単にオーケストラとEDM/ダブステップを融合させるという音楽的な試みだけではなく、それぞれの楽曲を通じて「Instrumental Narrative(音楽の物語)」を伝えることに主眼があります。今日紹介する新曲5曲からも、その辺りを感じ取ってもらえると嬉しいです。
Dark Model のアルバムが発売され、各方面からアルバムを購入されたという話を聞いています。CDを販売しているCD Baby の方も出足は好調で、週明けには追加ストックの依頼が来るのではないかと予想しています。購入して頂いた方にここでお礼を申し上げます。
米国ではアルバム・レビューが続々と掲載され、僕も徐々に把握できなくなってきました(笑)。分かる範囲で、Wordkrapht とTokyo’s Coolest Sound というサイトを紹介します。Wordkrapht の方はかなり詳細にレビューを、そして Tokyo’s Coolest Sound の方では丁寧にアルバム関連情報を掲載して頂いています。お伝えするのが遅くなりましたが、日本ではYahoo! News (ナタリー)が取り上げて下さっています。
Wordkrapht – Dark Model アルバムレビュー
「Dark Modelは騎士が戦場に乗り込むが如く、新旧様々な音楽の融合と再定義に挑んでいる。このプロジェクトのブレインでありDJ Captain Funkとしても知られているタツヤオオエは、シネマティックなオーケストレーションとエッジーなエレクトロニック・ミュージックをブレンドさせ、殆ど誰も達成できないであろう強烈さを持った音楽を作り出している。」
Tokyo’s Coolest Sound – Dark Model リリース・ニュース
Yahoo! ニュース – 「オオエタツヤ、新プロジェクトでダンス&オーケストラ融合」
先日紹介したParadise Jam & Akao によるビデオクリップの方は、早くも第3弾に突入しています。第2弾もここではまだ紹介していなかったので、今日はまず第2弾の3本から紹介しておきます。
“Close to Infinity” はハードヒットなパーカション、オーケストラ・サウンド、そしてクワイアをフィーチャー、”Moment of Truth” はドラムライン(マーチングドラム)的なビートとブレイクビートの上にオーケストラサウンドが載る、どちらもアップリフティングな曲です。Dark Modelの音楽はよりオーケストラ寄り、よりライブな響きがあるものの、この辺りは初期の頃から僕の音楽を聴いてくれている方なら、以前からの繋がりを見出だせるサウンドなのではないかと思います。”Broken Arrows” は以前SoundCloudからのクリップを紹介しましたね。
3. Close to Infinity
11. Moment of Truth
4. Broken Arrows
そして第4弾の今日公開した2本は、”Hope is Never Gone” と”Candle in the Desert” です。タイトルから伺えるように、Dark Model の中では比較的穏便な(笑)曲です。Dark Model というアーティスト名とアートワーク等から、このプロジェクトをかなりダークでヘヴィなものだと捉える方もいるかも知れませんが、実はこのプロジェクトのテーマはその印象よりはもっとポジティブなところにあります。ダークな世界においても”Hope is Never Gone” 、つまり希望は消えることはない。砂漠にゆらめく炎の様なはかなさ、孤独感を感じたとしても強く生きる、そんなメッセージを込めています。
“Hope is Never Gone” はアルバムの中では珍しくトランス的なテイストのあるオーケストラ・エレクトロニック楽曲、”Candle in the Desert”はシンプルなピアノフレーズをメインにした、多少サイケデリックな雰囲気を持つサウンドトラックです。
6. Hope is Never Gone
7. Candle in the Desert
これらの一連の楽曲を聴いて頂ければ、Dark Model が単にオーケストラとEDM/ダブステップを融合させるという音楽的な試みだけでなく(単なる「音楽遊び」「ジャンル遊び」ではなく)、そういった音楽を通じて “Instrumental Narrative” (音楽の物語)を作ることに主眼があることが分かって頂けるのではないかと思います。
DJはもちろん、映画制作やアニメーションなど時間を伴った表現全てにおいて言える事かも知れませんが、音楽作りは「ストーリーを紡ぐ」ということが先にあって、スタイルやテクニックはそれを具体化させるために後から(時々は横から)求められるものだと考えています。とはいえ、スタイルやテクニック、アーティキュレーション(メリハリ)が稚拙だと、伝わるストーリーも伝わらなくなるので、どちらも大切なのは確かですね。そう考えて日々精進しています。