以前の投稿から随分と間を開けてしまいましたが、皆さんお元気でしょうか?日本では元号が変わり、来年のオリンピック開催も相まって、街や人々も若干高揚感に包まれているのではないかと想像しています。アメリカにいるとそういった(日本の)時代の息吹を全く感じることが出来ないのが残念です。
タイトル通り、今日は新作のお知らせです。Captain Funk名義で久々にアルバムを作りました。渡米して以降Dark Modelとしてフル・アルバムを2枚、OEとして2枚リリースしたことで、新しい環境での活動方針や各プロジェクトの立ち位置が定まってきました(ありがたいことにDark Model「Saga」は昨年インディペンデント・ミュージック・アワードの「最優秀エレクトロニカ・アルバム」を受賞、OE「New Classics Vol.2」は現在、今年の同賞にノミネートされています。)それらの制作やリリースで得た経験を活かして、最古参のプロジェクトであるCaptain Funkに着手するのにいい時期なのではと考えた次第です。
アルバムの発売日や詳細は追ってこのfindingsで伝えていきますが、今日は内容を少しだけ。今回の作品はCaptain Funkとしては初めての、フル・イントゥルメンタル・アルバムになります。これまでもCaptain Funk名義でヴォーカル・トラックのないアルバムを発表したことはありますが、ボイスサンプルやシャウトなど、何らか人間の声が入っている楽曲を収録していました。今回一切声を使わない方針で制作に臨んだのですが、結果的にはその分ヴォーカリストのキャラクターや声質、巧さに左右されず、自分のビジョンに忠実に作品を仕上げることが出来たのではないかと思います。
(余談ですが、アメリカのメインストリームではエレクロニック・ミュージック=泣きの入った歌物EDMもしくはその進化系、という図式がずっと続いています。「これ、良い”歌”だろ?」と言わんばかりに、紋切り型のコード進行やシンセ・リフ、声質の似通ったヴォーカリストやボイス・エフェクトをフィーチャーしたエモーショナルな曲がプレイリストにずらっと並ぶ有様は、違和感を通り越して危機感を感じますね(笑)。エレクトロニック・ミュージック不毛の地と言われてきたここ米国でも、以前はもう少し多様性と冒険心がありました。)
プレイリストと言えば、ストリーミングやソーシャル・メディアなどを活用したリスニングが主流に移りつつある昨今、まとまった楽曲数とストーリー性を持った「アルバム」をリリースする意味はますます薄れてきているとも言われますが、自分の作品の聴かせ方を考えてストーリーを構成するのはアーティストとしての責務というか、作品作りの中で一番やり甲斐のある面白い部分だと思っています。映画や小説、漫画の制作と同じように。
Dark Modelの様な「一大叙事詩」ではありませんが、今回のアルバムも楽曲の配置やストーリー構成にはかなり時間を割きました。ですからまずは、ピンポイントで楽曲をつまみ食いするのではなく、アルバムを通して聴いてもらいたいですね。
次回のfindingsではアルバムの発売日やタイトルなどもお伝えできるかと思います!