マイクロブログ・アーカイブズ 2022年9月
メディアで作家やアーティスト、漫画家などの快適で洗練された書斎やアトリエを紹介するのを目にする機会は多いが、彼らのキャリアの足掛かりとなった作品はその仕事場からではなく、もっと不便で劣悪な環境の下で生まれたものだと思う。松本清張の経歴に触れてそのことを再確認した。
メディアで作家やアーティスト、漫画家などの快適で洗練された書斎やアトリエを紹介するのを目にする機会は多いが、彼らのキャリアの足掛かりとなった作品はその仕事場からではなく、もっと不便で劣悪な環境の下で生まれたものだと思う。松本清張の経歴に触れてそのことを再確認した。
意外かも知れないが、ジャズはアメリカで「最も人気のない音楽ジャンル」とされている。複雑な音楽性や独特のスノビズム/エリート主義に加えて、ジャズの背景にある歴史的・人種的複雑さがジャズを「面倒臭い音楽」にしている印象がある。音楽すら能天気に(感覚的に)楽しめず、何もかも民族的ルーツや政治思想とロジカルにリンクさせなければ気が済まないのが、良くも悪くも今のアメリカ。
大人になってからはご無沙汰だが、子供の頃プラモデルを作るのが大好きだった。音楽作りとプラモデル製作は似ている部分が多くて、Dark Modelなどは「音のジオラマ」を作っているような感覚がある。「三つ子の魂百まで」ならぬ「モデリング魂百まで」。
ストレスを溜めずに生きるには「他人が作ったゲーム、ルール、契約」で戦わないこと。ゲームの(既存の)ルールを変える、いわゆる「ゲームチェンジャー」は聞こえは良いけど、膨大なエネルギーと資源を必要とする。ゴールは「生き残ること」であって、ゲームを変えたり周囲を制圧することは、副産物もしくは手段でしかないと思う。
仕事上の問題を「より沢山働く」ことや「より複雑にする」ことで解決しようと思った時は、その考え方、取り組み方自体に問題がある。長時間労働というのは「仕事のエンジニアリング(工夫する、知恵を絞ること)」をサボった証拠。そんな風に考えられるようになったのは散々ガムシャラに、かつ無駄に働いてみてからだったりする。
アメリカの実業家や経営者には、業種に関係なくコンピューターサイエンス(CS)の学位を取得した人が多い。法律家や美術の教師、ひいては不動産屋がプログラミングが出来ても何ら違和感ない。「人生100年時代」と言うのなら、「文系」「理系」とか、二十歳そこらで何を専攻してたか程度で人をレッテル付け(差別)したり、世界を二つに分断するのはもう終わりにしてもよいのでは。
アーティストというのは創造とペテンの間を行き来する生き物。見る者聴く者の「認識を操る、曲げる」という点では同じなのだが、後者の側面が強すぎると、作品を鑑賞・体感してもいない人の心まで操ってやろうという野心が前面に出てくる。時に、その浅ましい生き様の方が作品よりも作品らしくなることも。
「分離」「通過儀礼」「帰還」というジョセフ・キャンベルの英雄神話のパターンは一つ覚えのようによく語られる。僕には生家や故郷がないせいか、「元いた場所に”戻る”」という桃太郎的な帰結よりも、「ショーシャンクの空に」のような「新天地にたどり着いてゴール!」という解放的な締めくくりの方が好み。
日本の「右に倣え」な同調圧力はよく知られているが、アメリカにも「前向きで楽観的、おおらかでいなければならない」という、日本とは真逆ともいえる社会的プレッシャーがある。いずれにせよ早い段階で「この人は(圧力の誘惑に)簡単に乗ってこないな」と諦められるのも一つの手。
Tatsuya Oe Updated: 2024/11/5 火曜日
何千何万枚とアルバムを聴いてきた中で、ブルース・スプリングスティーンの作品は未だに通して聴いたことがない位、縁がない。ある映画で、彼の『Born in the USA』は純粋な愛国ソングではなく、ベトナム帰還兵の孤独と苦悩をテーマにしたプロテスト・ソングだということを知った。この曲が誤解されたままロナルド・レーガンの選挙キャンペーンに使われたというのも皮肉な話だが、こういうアメリカの「こんがらがった感じ」は今後も半永久的に続いていくのだろう。
「アメリカの科学者の約75%が国外移住を検討している」という英Nature誌の調査結果は印象的だった。一方で、ある日本人ノーベル賞受賞者が「日本に帰りたくない理由の一つは研究費や環境など待遇の悪さ」と語ったエピソードも思い出す。僕はもちろん学者でも何でもないが、海外でのキャリア作りや移住にあたって一銭もサポートを受けたことがないし、「良い待遇」など期待したことすらないので、このアカデミア論争については正直ピンと来ない。
車を所有しなくなってから既に20年近い。東京にいた頃国産車や外国車を4台ほど乗り換えて、ある時から車種はおろか、所有や運転自体にも全く興味がなくなってしまった。今後もし車がないと生活に支障がある場所に住んでも、出来るだけコンパクトで手離れの良い車にしたい。昔ベンツに乗る上司が「良いクルマに乗ってるとホテルやレストランの警備員の対応が違うんだよ」と言っていたが、歩いて行けばそんな事気にする場面すらない。