マイクロブログ・アーカイブズ 2023年6月
ライオンの寿命は囚われの身で25年、野生だと12年~16年らしい。檻の中では食物も医療、仕事ですらも保障されるし、第一、外敵に殺される危険がないので、当然長寿になる。動物愛護や種の存続の点では様々な意見があるだろうし、ライオンに生きがいや充実感、退屈という概念があるのかは分からない。ただ少なくとも人間は、健康や安全の確保以上に「生きる価値」を追い求めずにはいられない生き物。
ライオンの寿命は囚われの身で25年、野生だと12年~16年らしい。檻の中では食物も医療、仕事ですらも保障されるし、第一、外敵に殺される危険がないので、当然長寿になる。動物愛護や種の存続の点では様々な意見があるだろうし、ライオンに生きがいや充実感、退屈という概念があるのかは分からない。ただ少なくとも人間は、健康や安全の確保以上に「生きる価値」を追い求めずにはいられない生き物。
1998年冬、パリのラ・ヴィレットでGlobal Teknoというフェスティバルがあった。デビューして間もない頃の初海外ライブで、東京から機材と変圧器を抱えて、今は無きヴァージンエアに駆け込んだのを覚えている。エイフェックスやらダフトパンクやらの出演者に交じって、エレクトロニックミュージックの新しいうねりの渦中に自分も居合わせることが出来たことを感慨深く思うと同時に、これからも絶えず変化し、音を創り続けることを誓う、25年後の初夏。
キプリングの有名な詩「If」に「If you can meet with Triumph and Disaster, and treat those two impostors just the same」という一節がある。大勝利と大惨事というのは、究極的にはコインの表と裏の様なもの。 若い頃はピンと来なかっただろうが、歳と経験を重ねるとこれはよく分かる。人生何が起こってもそんなに落ち込む必要もないし、そんなに舞い上がる必要もない。これはまさに「塞翁が馬」の意味するところ。
個人的な見解だが、アートに「職人」という言葉を使うことに違和感がある。アートとクラフト(工芸)は重なるところはあれど、(優劣の問題ではなく)基本的に別物。アートは創り手のアイデアや視点、エモーションを作品に投影させる「自発的な挑戦」であって、リスクや恐怖と常に表裏一体。そこに秘めた危うさや飛躍、不安定さが、クライアントや指示の存在を暗に意味する「職人」という概念とフィットしないように感じる。
曾祖父母が第二次大戦時カリフォルニアの強制収容所に入れられていたことを聞いたのは、母が他界するほんの少し前。僕が渡米した後もなお先祖にアメリカ移民がいたことを全く知らなかったわけだが、母から聞いた僅かなエピソードの中で印象的だったのは、収容所での過酷な生活や人種差別を経てもなお、曾祖父はアメリカへの愛国心に溢れていたということ。僕にとって「二つの祖国」はもはや作り話ではない。
「時間をかけてぐつぐつ煮たシチューよりも、温かいインスタントスープの方が時に価値がある」といった内容の事を昔誰かが言っていた。クリエイターの多くは完璧主義に陥りがちで、時間管理が苦手。職業に関係なく日本人にはこの傾向が強いというが、この完璧主義は実は自分も周囲もあまり幸せにしない。自分の集中力や意志を過信せず、意識的にせっかちになって小さい結果を積み上げていく方がハッピーだと思う。
70年の大阪万博は、岡本太郎の表現する縄文人的な情念や野蛮さと、丹下、磯崎らの弥生人的なモダニズムとのぶつかり合いが成功に導いたという見方がある。確かにこの「縄文と弥生の衝突」というのは日本文化を育んできた原動力になっているように思うが、一人の人間の中でもこの二つの要素をどう飼いならすかは重要だろう。自分は縄文6で弥生4くらいか。
「若さとは、人生の或る期間を指すのではなく、ひとつの心の持ちようを指すのだ。(中略)年輪を重ねただけでは人は老いない。理想を見失った時初めて老いが訪れる。」安藤忠雄氏も感銘を受けたというサミュエル・ウルマンの「青春」という詩。これまでに何度も目にしたはずのこの詩の偉大さに気付かなかったのは、(物理的な年齢が)若かったからだろう。
メディアで作家やアーティスト、漫画家などの快適で洗練された書斎やアトリエを紹介するのを目にする機会は多いが、彼らのキャリアの足掛かりとなった作品はその仕事場からではなく、もっと不便で劣悪な環境の下で生まれたものだと思う。松本清張の経歴に触れてそのことを再確認した。
Tatsuya Oe Updated: 2024/11/5 火曜日
アメリカの労働統計局のウェブサイトには様々な職業についている人の大まかな人数と収入を紹介しているページがある。自分は”Music Directors and Composers(5万人)”か”Musicians and Singers(17万人)”に属するのかも知れないけど、僕の場合パフォーマンスもしないし他人のために作曲をするわけでもなく、仕事内容も稼ぐ方法も定義とは全然違う。どこであれ、しっくりくる居場所はないのは確か(笑)。
<div class="bpfb…AIや機械学習の世界でサンプルデータの拡張/水増しをすることは常識のようになっているが、統計学的にも倫理的にも腹落ちしない場合がある。人間、つまりデータサイエンティストの主観やセンス、モラルが入る余地が大きすぎるような気がするのだ。学生ローン申請をサポートする米国のスタートアップがデータサイエンティストを雇い架空の学生400万人を捏造させたという事件は、極端な例だが上の「倫理的責任」を浮き彫りにしている。
現在新作の配信準備中で、米アグリゲーターのチェック(検品)を待っている。このプロセスで問題があって作業が滞った事はあまりないが、以前、全てのDark Modelのアートワークの左下に入れている「闇」という漢字のロゴをあちらのスタッフが勘違いして、「アートワークにQRコードを入れてはいけません!」と注意されたことがあった。こういう信じがたいヒューマンエラーが起こると、この手の事務・確認作業はもはやAIにお願いしたいなと思ったりする。