マイクロブログ・アーカイブズ 2024年10月
「考えること」の大事さは誰もが理解しているが、「考えないこと」=無心になることの大事さは意外と理解されていない。マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントのトレーナーと、禅僧のティク・ナット・ハン。すなわち熾烈な競争を勝ち抜く達人と、心の平穏(マインドフルネス)を説く達人。彼らの心構えが「Don’t Think」という共通項で繋がるのは興味深い。
「考えること」の大事さは誰もが理解しているが、「考えないこと」=無心になることの大事さは意外と理解されていない。マイケル・ジョーダンやコービー・ブライアントのトレーナーと、禅僧のティク・ナット・ハン。すなわち熾烈な競争を勝ち抜く達人と、心の平穏(マインドフルネス)を説く達人。彼らの心構えが「Don’t Think」という共通項で繋がるのは興味深い。
セネカは「人は財産を奪われると激怒するのに、(労働や他人の怠慢で)自分の時間を奪われることに対しては恐ろしく鈍感だ」というような事を説いた。2000年経った今も、金銭や名声への執着や憧れはあっても、時間を有意義に使った人や、自分のための時間を確保できた人のストーリーに着目する機会は殆どない。
電子書籍よりも本を買って読む機会が増えている。長らくオンライン/デジタル生活でモノを減らすことに意識が向いていたけれど、最近はオフラインの時間を出来るだけ増やしたいという気持ちが強くなった。サーチエンジンも極力使わない。仕事上のやり取りに関しては引き続きテクノロジーを活用しつつも、創作や発想、娯楽に関しては「レス・デジタル」な方向で考えてみたい。
ニュースのコメント欄やSNSなどでは、世間の出来事を全部自分事として捉える風潮があるけれど、自分と直接関係のないことに逐一反応していると、本当に大事な判断を正確に行うための落ち着きとエネルギーを使い果たしてしまう。過度の「内面化(internalization)」をやめて、必要以上に当事者意識を持たないように努めることはストレスフリーへの第一歩。
英国の詩人ワーズワースの有名な詩の一節に、”The Child is father of the Man”という、逆説的な表現が出てくる。子供は大人の父親(原型)、つまり子供の時に抱いた感動や心躍る気持ちがその後の自分を形作る、という意味だと思う。彼にとっては虹から受けた感動がそれにあたる一方で、僕にとっては海だったり音楽だったりする。
超多作な作家で知られたアイザック・アシモフは、「なぜ時間を過去に設定した本を書かないのか?」と聞かれて、「過去を書くには下調べが必要になる。自分で捏造できる未来と自分が既に知っている現在に絞って書いた方が生産的だよ。」と答えたとか。アウトプットで飯を食う自分にとっては示唆に富む話だけど、彼の場合「既に知っている事」が膨大だった。
クリエイターにはコンセプト型の人とストーリー型の人がいると思う。もちろんどちらも創作にとって必要な資質なのだが、その「重心の置き方」は表現形態や作品、アーティストによって随分異なる。本来は時間芸術である音楽の中にも、ストーリーよりもコンセプトに大きく寄りかかったタイプの作品もある。ただコンセプトは手品やとんち(あるいは屁理屈)と同じく、鮮度と説得力を保つのが大変。
成功に再現性は必要だろうか?幸運は、努力や行動で引き寄せられる要素と、本当に「たまたま」で「再現性ゼロ」な要素が入り混じっている。曲がヒットするのも、宝くじが当たるのも、大統領に選ばれるのも、実はあまり変わりがないように思う。差が出るのは、その後の「手に入れた幸運の使い方、転がし方」。普段の積み重ねや精神力がモノを言うのはその時。
よく練られたシステム(仕組みとルール)とテクノロジーは人為的ミスを減らし、生産性を上げ、結果として社会と経済を潤す。一人一人の注意力やスキルの向上、そして残業(!)、つまり「人間の努力負担」で解決できると考える風潮を絶たないと、「人が頑張れば頑張るほど、誰も幸せにならない」社会から抜け出せなくなる。
Tatsuya Oe Updated: 2024/11/5 火曜日
シリアスで斜に構えた作品を作るよりも、心が躍動し気持ちが前に向く作品を作る方が遥かに「人としてのパワー」が要る。悲観や恐怖、ニヒリズムを唱え、煽るのは簡単だし、それに染まるのはもっと簡単で、油断すると重力のように下に引っ張られていく。幸い、暗闇の中に光を見出して前進した人達は有史以来数えきれないほどいて、素晴らしい物語や詩、音楽、そしてグルーヴを残してくれている。
James Brown "Medley: Papa's Got A Brand New Bag & I Got You (I Feel Good)" on The Ed Sullivan Show https://youtu.be/UwUG6YDoTZ8…
出演作が多すぎて、また質にバラツキがありすぎて、2010年以降のニコラス・ケイジの映画を全て追いかけるのは無理。ただ、ここ最近の出演作はしっかりした作りのものが増えてきて、シリアスなものもコメディものも「流石だな」と思わせてくれる。大笑いしたこの映画、本編を見てからこのトレイラーを見ると、彼が叫ぶFワードが”frickin’ (friggin’)”に差し変わってるのに気付く(笑)。
The Unbearable Weight of Massive Talent (2022 Movie) Official Trailer – Nicolas Cage https://youtu.be/CKTRbKch2K4(2/2)このカタログを眺めていると、義務教育での各教科は、大人になってサバイブするためのきっかけを開く「森羅万象カタログ/ショーケース」だったのかも知れないとすら思えてくる。もちろん最大限に評価すればの話であって、小中学生の時はそんな崇高な事は考えない。日本の学校は知識やルールを教わることは出来ても、「なぜ学ぶのか」や「どうやって生き抜くか」を考えたり議論する機会は悲しい位に少ない。
Learning to Survive | Savage Kingdom | Nat Geo Wild – YouTube https://youtu.be/JtwXOlcmy4E