東京に戻ってきた途端、日本はまた極寒の季節に逆戻りです。皆さん風邪などひかれていないでしょうか?
僕はジェットラグ(時差ボケ)も直り、今は元気に仕事しています。この時期会社的には年末調整等の事務作業が多いので、先日のMIDEMのフォローアップと併せて色んなスプレッドシートを作ってはメール、電話、そして電卓(笑)、そんな日々を過ごしています。
MIDEM にしろ、自分がチェックしている音楽周辺のニュースにしろ、この数年ますます感じることは、音楽ビジネスのプレイヤーの主役が大きく変わってきていることです。今回のMIDEMで特に個人的に関心を持ったのは、ゲームの DJ Hero はさておき、アーティストためのマッチングサービスである Sonicbids や Hello Music だったり、マーケティング・サービスを提供するTopSpin だったり、テクノロジーやネットワークと関係の深いサービスを行っている会社が多かったです。その他、The Orchard, Believe Digital, IODAなど、配信系のアグリゲーターも目立ちましたね。
もちろんそれらすべてが順調に収益を生んでいるわけではないであろうけれども、音楽と人の流れが完全にパッケージメディア&従来の原盤・出版ビジネスから移行していくうねりを強く感じます。とはいえ、誰にも答えが分からないというのが正直なところでしょう。「今後音楽ビジネスはこうなる!」なんて予言めいたことを唱える人は多いが、最後は自分の経験則・直観に委ねるしかありません。こういう時代には予言ビジネスや予測本が儲かる、とだけは言えるかも知れませんが(笑、以前紹介したクリス・アンダーソンの「フリー」なんかもその類と言えなくもない)。
予言は強いほど求心力が強まります。一瞬だけなら強い予測を振りかざして他人に影響力を与えることで、誰しも教祖的な存在になることも可能かも知れませんが、それを持続するのはまた至難の業でしょう。個人的にはそんな水晶玉で他者を翻弄すること様な事よりも、自分で立てた予測(将来図)を自分に課して実践してみることの方に興味があるので、今後も「実践のサイコロ」を振り続けていこうと思います。
というわけで、谷岡一郎「ビジネスに生かすギャンブルの鉄則」と、
レナード・ムロディナウ「たまたま―日常に潜む「偶然」を科学する」をご紹介しておきます。斜め読みでも楽しめると思います。どちらも大きく言えば、「ビジネス&人生もギャンブル同様、実はランダムな世界に支配されている」といった主旨の内容です。だからといって偶然に任せて果報を寝て待て、ということではないのが、これらの本から得られることかな。
曲は Armand Van Helden & A-trak presents Duck Sauce “Anyway” で。Final Edition “I Can Do It (Anyway You Want)” をセンス良く再構築した、アップリフティングなディスコトラックです。