Part2はCaptain Funkその他の話題です。完全な新曲ではありませんが、これまでリリースされた楽曲の新アレンジを幾つか作りました。Music の新着情報でも紹介した、”Version2011” 収録 “Endless Possibilities” の新バージョンと “Heavy Mellow”収録の “Tell Me (Chill Out Downtempo Mix)” を改めてご紹介しておきます。
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Captain Funk 「Endless Possibilities」「Tell Me」の新バージョン
“Endless Possibilities” はビートのノリをストレートからシャッフルに変え、ニューウェイブ色の強いアレンジを施しました。”Tell Me” の方はいわゆるチルウェイブ的な流れのミックスと言えるかと思います。
追記:これらの新バージョンは2013/7/14発売のCaptain Funk – Chronicles 2007-2013, Vol. 1 に収録されています。
別アレンジを考えることの、クリエイティブ上のプラス面。ビジネス上のプラス面。
このように別アレンジを考えているうちにまた別の曲が出来上がる、まったく違った角度からアイデアが生まれるということはよくあります。音楽、特に著作権管理の世界では未だオリジナル(=譜面上の2次元情報)第一主義で、アレンジメント/リミックス/サウンドエンジニアリングの重要性に関しては(聴く側の耳が大きく変化した90年代、00年代を経ても)結局のところ殆ど注目・課題視されませんでしたが、実際の現場ではアレンジが違うものは「別物」として意味を持ちます。これはほんの一例ですが、もしオリジナルバージョンやヴォーカルバージョンしか手元に無かったら、彼らはこれらの映像用に僕の曲を使いたいとオファーを出していなかったことでしょう。
ゼロサムゲームな、音楽ライセンス・ビジネスの世界
こういった楽曲のライセンスということについては、上に書いたような事柄を含めて様々な懸案事項や予備知識が必要になってくるので、自分は音だけ作って後は誰かに任せていれば勝手に商談を決めてきてくれるという訳には行きません。音楽を選ぶ側からすれば(音だけを取れば)代わりは幾らでもいる訳ですから、音以外の部分で仕事の付加価値やスピードを上げていかないと、一瞬でお払い箱になってしまいます(笑)。出来レースやツテ、しがらみ、偏見が無ければ無い世界ほど可能性は広がりますが、その代わり結果がダイレクトに本人に返ってくる、「Winner takes all」のゼロサムゲーム的な世界。それを心地良いと思うか残酷だと思うかはその人次第だと思います。
追記:このブログでの「音楽ライセンス・ビジネス」関連リンク
音楽ライセンス・ビジネスに関しては、このブログで頻繁に取り上げていますので、下記の記事も参考にして下さい。
「映像に使う音楽のライセンスを予算内で、シンプルに行う10の方法」
「音楽著作権オペレーションの日米比較:「シンクロ権」の扱い方」
「ミュージック・スーパービジョンとは - Vol.2 「Saturday Night Fever」の時代 –」
「ミュージック・スーパービジョンとは - Vol.1 時代的背景 –」
「Dark Model インタビュー (日本語訳) 第ニ弾 -ビジネス&オーディエンス-」
「Happy Holidays(ロサンゼルス Sync Summit参加報告など)」
Captain Funk, Dark Modelなどの楽曲がライセンス使用された事例
米ビルボード誌ライターとの、音楽ライセンス・ビジネスについてのインタビュー
これはプロのミュージシャンの方に向けた記事ですが、その辺りの事情と戦い方について、米ビルボード誌コントリビューティング・ライターのMark Frieser氏(Sync Exchange代表)からロング・インタビューを受けました。主に海外での音楽ライセンスビジネスの動向を中心にお話していますが、一般論ではなく全て自分の実践と経験に基づいているので、今後音楽ライセンスに力を入れたいと考えているインディペンデントな作曲家、レーベル、音楽出版社の方などには参考になるかと思います。
僕以外のインタビュー相手は Devoのジェラルド・キャセール、Heaven 17のマーティン・ウェア、パブリック・エナミーのチャックD、そしてマシュー・ノウルズ(ビヨンセのお父さん)など、強者揃いですので、そちらも併せてお楽しみ下さい。
Sync Exchange “Creating a Successful Licensing Business as an Independent Musician (Part 1)”
(Part2)