テクノロジー企業、コンテンツを運ぶ「コンテナ」側がコンテンツの未来をコントロールしすぎてしまうこと、そして、そのことに我々コンテンツを作る側が流れに身を任せすぎているのではないかいう危惧がますます強まっています。我々が一定のインディペンデンス(独立性)を保つために、どう立ち向かい、どういった価値を提案していくのか、そこはとても重要な課題です。
現在Club Model Electronic のシステムの移管準備に追われています。会員の方には数日以内に改めてご連絡させて頂きますので、正式発表まで今しばらくお待ち下さい。
作業の内容としては、まずModel Electronicのサーバ自体を引越します。そして Club Model Electronic にある配信サービス機能をこのtatsuyaoe.comに移し、現在のCD&グッズショップと統合することを考えています。このことで、ユーザーの皆さんに、より集約した形で CF/OE なり Model Electronic の音源を楽しんで頂けるのではないかと考えました。現在再構築中のこの tatsuyaoe.com に関してもそうですが、使えるリソースは外部からどんどん引っ張ってきて、その上でここでしか提供できないコンテンツを加えていくという、より合理的なアプローチを目指しながら皆さんとコミュニケーションを取っていきたいと思っています。
音楽業界のみならず音楽配信周りも秒進分歩のスピードで再編成が進んでいるようです。採り上げるニュースには必然的に Apple(iTMS) 絡みのものが多くなってしまいますが、それは僕が特段 Apple びいきだからというわけではないんですね。Apple をはじめとしたテクノロジー側、コンテナ側がコンテンツの未来をコントロールしすぎてしまうこと、というより、そのことにコンテンツ側が無自覚とは言わないまでもちょっと流れに身を任せすぎているのではないかと、この5年位少しばかり抱いている危機感がますます強くなっているからです。
(コンテンツ、コンテナと二分して考える事自体の是非は、議論の余地があるでしょうが)
Nine Inch Nails や Radiohead をはじめ、配信を含めた新しい形態のリリースについてのニュースを聞く事は今や珍しくありませんが、それは彼らがビッグネームだから革新的なニュースとして伝わりやすいという面もあるけれども、ああいった類の事を考え実践しているアーティストは有名無名に関係なく(海外では特に)実は大勢います(例えばこの Get Busy Committee という ヒップホップグループのプロモーションストーリーはなかなか興味深い)。一定のインディペンデンス(独立性)を保って活動しているアーティストなら、会社やレーベルを運営したり、マーケティング(=リスナーとの関係)まで主体的に考え実践するのは当然の成り行きなわけで、myspaceなどもそういった独立心旺盛な土壌から生まれたネットワークだったからこそ、急成長したんですよね。
この辺りの話をすると無駄に長くなってしまうので端折りますが、ここ最近ニュースに挙がっている配信・ソーシャルメディア(もしくはSNS)周りの再編成の主役は(myspace全盛期の華やかなシンデレラストーリーとは違い)ユーザーでもなくアーティストでもありません。ここ最近よくあるメディア編成やコンテナ&コンテンツ企業統合話の域は超えていない(=つまり経営上の事情であってユーザー本位なりユーザーからの動きではないこと)ように見えますが、さて、アーティストはこの流れにどう立ち向かい、どう身を委ねていくのでしょう。そしてユーザーは…?