News のページでもご紹介したように、Model Electronic Inc. のウェブサイトをリニューアルしました。ここ最近、自分の音楽をムード、用途などの「シチュエーション」で分類したりタグ/キーワード付けをする機会が増えたのですが、名義やアルバム毎のコンセプトなどの枠を取っ払って、「どう感じられ、聴かれるか」「どういう状況を想定しているか」で自分の音楽を捉えた方が案外説明がつきやすく、また創作もしやすいことに気付かされます。特に映像などとシンクロする場合は、同期する側の映像の状況や雰囲気をある程度言葉に翻訳する作業を経ないと音も出てきませんから、映像→言葉→音(もしくはその逆向き)の翻訳作業を色々とこなしているうちに、自分なりにボキャブラリーが増え、固まってきた感があります。
もちろん、映像も音も全ての要素を言葉に落とし込むことは出来ないし、またそういった翻訳作業をスキップしたい、もしくは好まないクリエイターの人もいるでしょうから、人それぞれで良いと思います。ただ、文化圏の異なる人と仕事をする際は、言葉を抜きにした阿吽(あうん)の呼吸的なコミュニケーションを求めても難しく、「何かこんな感じのが出来ちゃったんだよね、どう?」と曲を渡しても唖然とされるかも(笑)。
それはさておき、Listen Now のページに掲載した曲は既にリリースをした楽曲を除けば、ここ1年位の間に制作もしくはミックスし直したものを中心にチョイスしています。僕はリミックス癖が染み付いているのか、一度発表した曲でもその後色々とバリエーションを作って別の用途と組み合わせてジャンルを飛び越えてみたり、またそこから新曲を作ってみたりという作業が非常に好きなので(もちろん一応ニーズを考えて作ってはいるんですが)、掲載された曲の中には「あれっ、自分が聴いたことのあるバージョンってこんなのだっけ?」とか、全く別物の新曲に聞こえるものもあるのではないでしょうか?今回は披露出来ませんでしたが、”Weekend” や “Somebody Like You” 辺りはまだ他にもバリエーションがあります(^-^)。
Epic/Trailer系のものは(僕の作品として)お聞かせするのは初めてかも知れません。こういった音楽は海外ではトレイラーミュージックとして一つ確立されたジャンルになっているようですが(実際にはトレイラー全てがその手の音楽を使用している訳ではないのにも関わらず)、ここ4,5年は非常に類型化している感もあるので、あまりそういった枠組みやパターンに捉われずに、自分らしい作風で楽曲を作っていければと思っています。
Model Electronic のウェブ作業が一段落ついたので、また夏辺りにはこの tatsuyaoe.com もリニューアルしたいと考えています。ただ、tatsuyaoe.com でお聞かせしたいと思っていた音楽(とその聴き方)は今回ある程度披露できたので、次はさらに新曲をという感じですかね。それではよい週末を!