今日は久々に聞いた、Burt Bacharach(バート・バカラック)が全面的に音楽を手掛けた’73年の映画 “Lost Horizon” の挿入曲 “Question Me an Answer“(”Lost Horizon Soundtrack“収録)を紹介しましょう。
このアルバムを知ったのは10年位前でしょうか。バカラックの数々の代表曲については皆さんもよくご存知だと思いますが、この作品は映画音楽的というよりミュージカル、いやポップミュージックとして完成度の高いサウンドトラックになっていて、ある意味穴場的な一枚なのかも知れません。
この作品の中で僕が一番好きな “Question Me an Answer” は転調、展開の嵐で、正に「バカラック組曲」とも言えるのだけれど、僕がこの曲を聞いていつも思い出すのは Stephen Sondheim (スティーヴン・ソンドハイム)の’70年に発表されたミュージカル作品 “Company“です。”Sweeney Todd” や”Into the Woods” 等で知られるソンドハイムは、ミュージカルの世界では大御所も大御所ですが、ポップス畑からの注目度はさほどないように感じます(もちろん、ミュージカル自体がポップスファンにとって縁遠いというのもあるでしょう)。しかしながら、この”Company” は舞台を見なくても音楽として十分楽しめるポップな楽曲が揃っていて、若干実験的・プログレッシブではあるとはいえ一般の音楽ファンがこれを聴かないのは少し勿体ないなという気がします (試聴: Youtube )。ジャンル的な話をすれば、ソフトロック、バーバンク・サウンド、スパークス、トッド・ラングレン、クイーンの初期~中期辺りが好きな方にお薦めという感じでしょうか。
と、バカラックを紹介するつもりがソンドハイムの話になっている…(笑)。何はともあれ、予定調和なポップスやループ主体の音楽が退屈に感じられた時は、こういったポップミュージック・アレンジの効いたミュージカルに触れてみるのも良いかと思いますので、興味があればチェックしてみて下さい。