夫婦生活の快適さに慣れきってしまった時こそ、お互いそもそも自活出来る力が備わっているかを見直す必要がある…。僕の話ではなく、音楽と映像の関係についての喩え話です(笑)。
今日は”Special”のページにOE “The Grid” のビデオを掲載しました。このビデオはbarksなどで紹介されてはいましたが、案外全編をご覧になったことのある方は少ないのではないかと思います。当時(2003年)のコンピューター&ソフトウェアの性能を考えると、怒涛のレンダリングを経てこれだけ迫力のあるCGを作って頂いた Paradise Jam の皆さんには本当に頭が下がる思いです。
こうして動画をアップしておいて変な話ではあるんですが、ネットの時代になって以降、僕ら提供側もユーザー側もより視覚的な要素に敏感になってきている分、「視覚なしで音を楽しむ事」に関しては少し感覚が鈍くなってきているのではないかなと思う瞬間もあるんですね。もちろんMTV全盛期からそういう事は言われ続けては来ているんですが、意識的に環境を作らない限り、視覚要素なしの状況に音楽を追い込めるチャンスがますます少なくなってきたなという気がします。
音と映像というのは切っても切り離せない、非常に密接な関係ではあるのですが、音楽は本来耳だけでも十分楽しめる自律的な存在。そう認識した上で映像を(ありがたく)楽しむ気持ちを忘れたくないなと思う今日この頃です。お互いの良さが理解できるからこそ、音楽を「映像がなかったら全然つまらない」ものや「映像でごまかされる」ものにはしたくない。
全部入りラーメンも良いが、麺とスープだけでも十分上手い。二人暮しはこの上なく楽しいが、お互い精神的にも自立出来ている。そんな自律(独立)した音楽を作るように心がけていれば、映像との蜜月も長く続くはず。そんな風に考えています。