急激に秋の到来を感じるようになりましたね。僕はこの時期からコートが必要になる前までの季節感が好きで(夏は湿度が少ない場所なら好きなんですが)、気が早いのか、既に外出着が全て長袖になっています(笑)。
ところで先日、30代最後の誕生日を迎え、40歳まであと1年足らずになりました。自分としてはさして実感はない、そして自分に関しても他人に関しても年齢で人を判断することが少ないとはいえ、物理的な時間の積み重ねというのは無視することが出来ません。20代のうちに独立し、30代で自分のビジネスの土台となる場を作るという若い頃からのビジョンは一応実現してきましたが、今までの過程はまだ準備期間でしかないなと感じています。音楽にしても、それを含めたビジネス全般にしても、ビジョンを本当の意味で形にしていく「実践期」として、残りの30代を大切に過ごしていこうと思います。
話は変わりますが、この数日アメリカの民主党大会をテレビで見ていて思うのは、(内容の是非はそれぞれあるでしょうが)ダイレクトなコミュニケーションの大事さ、潔さです。直接選挙だから当然といえば当然ですが、ああいった「裸のシチュエーション」で論旨のはっきりした演説を、エモーショナルにライブの形で語りかけることの大切さ、難しさを日本の政治家が考える瞬間はどの位あるのだろうか。いや、政治家ならずとも、直接に自分の言葉で語りかける勇気とその見返りとしてのダイレクトな賞賛および批判といったコミュニケーション(キャッチボール)の醍醐味や爽快感を味わう機会が、この国にはまだまだ少なすぎる。なんて事を感じます。
論旨を組み立て、そこに緩急をつけ、必要とあらば強調点を繰り返し、時に聴衆に反応の時間を与え待つ。そんな彼らの巧みでエモーショナルな演説にライブエンターテインメントもしくは時間芸術の真髄を見る、とまでは言わないにしても(大袈裟ですね、笑)、我々DJやミュージシャンが学ぶべき点、共通項が沢山があります。でもこれは、エンターテインメントに従事する人だけではなく、どんな仕事やコミュニケーションにも必要な「言葉と時間(および空間)のデザイン・効果的な演出」のためのスキルなのではないかと思うにつけ、忍び寄る不況の中でも底力を誇示していく彼らの大見得を切るさまを冷ややかに見るのではなく、それぞれが自分なりに吸収、学び取っていく要素を探した方が賢明だと思った次第です。