(オリジナル)Dark Model (Tatsuya Oe) Interview/Q&A https://www.independentmusicawards.com/ima/dark-model
Dark Model インタビュー 第一部
Dark Model インタビュー 第三部
Q: このプロジェクトのための資金をどうやって集めたのですか?自分のポケットマネーから出したレコーディング費用をどの位の期間でリクープ(回収)できると思いますか?
A: 私は10年近く自分でレーベルを運営しています。インディペンデント・アーティストとして、またビジネス・オーナーとして、私はリリースをする際はそのための制作費とプロモーション費用を確保すること、そしてそれらの費用を出来るだけ早期に回収することに大きな注意を払ってきました。CDやデジタルでの売上に加えて、音楽出版・シンクライセンスでのディールにもウェイトを置いています。一般にリリースする前であっても積極的に自分の音楽をライセンスして売上を確保するように努めているので、リリースによる流通から売り上げた収益だけで結果を予測したり期待したりはしないようにしています。
このアルバムに関して言えば、公にリリースした時点で既に制作費などへの投資はほぼ回収していると言えるかと思います。私の様なインディペンデントなミュージシャンにとって、破産することなくボールを転がし続けることは、一時的なものでしかないハイプ(メディア上の評判)をあてにするよりもずっと大事なことです。
Q: なぜこの作品をインディペンデント・ミュージック・アワードに提出しようと思ったのですか?
A: 以前から、私の様な音楽にとってこのアワードは格好のジャッジになるだろうと思っていましたし、信頼できるプロフェッショナルやインディペンデント・ミュージックに関心のある音楽ファンに自分の音楽を聴いてもらい評価してもらう絶好の機会だと思ったからです。
Q: あなたの成功の定義は?またそれを達成した時はどのようにして分かりますか?
A: 成功というのは考え方(マインドセット)の問題だと思います。常にポジティブで建設的であること。自分に忠実に生きるためのエコシステム(精神面、物理的な面、人間関係など)を築くこと。それが大事です。
Q: この賞を受賞したら、自分のキャリアのゴールを達成するためにどう活用しますか?
A: 受賞した場合は、自分のファンやネットワークを通じてその嬉しさを伝えるでしょう。また受賞が自分にとって以前は閉ざされていたり、存在することを知らなかった、新たなドアを開けることにつながれば嬉しいです。
Q: あなたのオーディエンスはどういう人で、またどういった点がユニークですか?
A: 彼らはエレクトロニック・ミュージック/EDM/ダブステップ・ファン、トレイラー・ミュージック(映画の予告編音楽)・ファン、ハリウッド映画のサウンドトラックのファン、テレビゲーム音楽のファンなどから構成されていると思います。彼らのことを「エピック・ミュージック」のファンと呼んでも良いかも知れません。それはエレクトロニック・ミュージック、オーケストラ・トレイラー・ミュージックやサウンドトラックなどの世界的な台頭、認知に伴って生まれたとても新しいマーケットです。YoutubeやSoundCloudなどのソーシャル・メディアがこれらの世界中にいる若い音楽愛好家達をつなげ、新しい「ミュージック・トライブ」を生み出すことに大きく貢献しているように思います。
トラディショナルな音楽ジャンルの見方から言えば、これらのマーケットはまだ単純にインストゥルメンタル・ミュージックのサブジャンルと見られていたり、それ自身独立したカテゴリーとして認識されていないですが、私はこの「トライブ」は確実に育ってきていると信じています。
Q: 今度作ってみたい曲はありますか?またその理由は?
A: DAW (digital audio workstation)やソフトウェア・プラグインの様なテクノロジー、ツールに大きく依存しているエレクトロニック・ミュージシャンとして、私はつねにそれらの犠牲にならずに音楽を作りたいと思っています。私の最新アルバムで言えば、「Dance of Wrath」はかねてから私がやりたかったことの一つの結果であり、様々な試行錯誤をした後に、考えていたことがうまく形になったことに満足しています。
テクノロジーの進化のお陰で、人々はループやシーケンス、つまりコンピューターの画面の上で何かを時系列に並べることだけでダンスミュージック(ポップミュージックですら)を作曲できた気になってしまいがちです。しかしながら、そういった思い込みを持つことが、クオリティの高い、型破りな音楽を作る力を阻害してしまうこともあります。
私達のような現代の(エレクトロニック)ミュージシャンは、ともするとシーケンサーの奴隷になってしまう傾向があります。個人的にはDAWの様な道具なしでは生きていけないし、(ファンク、ディスコ、テクノ、EDMなど)ダンスミュージックが本来持っている繰り返しの良さはもちろん好きですが、私は時折DAW、シーケンサーが本来得意としていること/機能にあえて逆らってみることにしています。シーケンシャルでない方法で音楽を考えるようにしてみるのです。
「Dance of Wrath」に関して言えば、一歩踏み出して、直線的でビートやリフの繰り返しから成る音楽、つまり、単なる「オーケストラとエレクトロニカの融合」と言われる様なものや、「オーケストラ作品のエレクトロニック・リミックス」と言われる以上のものを作ろうと考えました。今後はさらにこういうこと-ユニークで面白い、オリジナルなサウンドを生み出す新しい方法でツールを使うということをやっていきたいと思います。
Q: あなたが聴いている音楽で、ファンが驚くであろう音楽は?
A: ZNR