Tatsuya’s daily notes with his favorites of the day.
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昔調査の仕事に関わっていたので、統計やデータを雑に扱ったりバイアスを含んだ記事に対しては敏感な方だと思う。最近はオーソドックスな調査の結果だけでなくインターネット上の行動から得られるデータ(ビッグデータの一つ)やアルゴリズムに対しての監視や警戒がますます必要になってきているが、どちらにしても人間は調査やデータと聞くと「科学的なもの」だと思って鵜呑みにしてしまう傾向がある。この本のような啓蒙書がもっともっと増えて欲しい。
データを疑う力 : 数学力より論理力 – 麻生一枝 https://amzn.to/3Cg0DSt昔調査の仕事に関わっていたので、統計やデータを雑に扱ったりバイアスを含んだ記事に対しては敏感な方だと思う。最近はオーソドックスな調査の結果だけでなくインターネット上の行動から得られるデータ(ビッグデータの一つ)やアルゴリズムに対しての監視や警戒がますます必要になってきているが、どちらにしても人間は調査やデータと聞くと「科学的なもの」だと思って鵜呑みにしてしまう傾向がある。この本のような啓蒙書がもっともっと増えて欲しい。
データを疑う力 : 数学力より論理力 – 麻生一枝 https://amzn.to/3Cg0DSt遅ればせながらBandcampでもOE『Moment of Now』の発売を開始しました。Suchnessシリーズの中では最も躍動感のあるアルバムなので、普段アンビエントミュージックを聴かない人もアクセスしやすい作品に仕上がっていると思います。僕は今これを聴きながら数列の問題と格闘していて、「漸化式(recurrence relation)」ってネーミング、なぜもっと取っつきやすい名前にしなかったんだろうとか考えてる。
Rhythm of the Wind | OE (Tatsuya Oe) https://oe-music.bandcamp.com/track/rhythm-of-the-wind朝起きて仕事始めによく聴いているのがニュージャージーにあるジャズFM放送局のWBGO。公共放送であるNPRと提携しているラジオ局で、コルトレーンから新進気鋭のジャズまで程よい選曲が気に入っている。先日オンエアされていたこのSambarandaによるアカペラ曲はブラジルの作曲家アントニオ・アドルフォの有名曲のカバーだと思うけど、リズムもハーモニーも新鮮で素敵。
Sambaranda – Cascavel [Official Audio] https://youtu.be/BDPHFpJkucc韓国映画『不思議の国の数学者』という作品で、試験問題を漏洩した塾の名が「オイラー」だった。かなり前、この『オイラーの贈物』を本棚から取り出して時折パラパラと眺めていた事を思い出す。当時のAmazonの購入履歴を見ると、同時期に買って読んだのが幸田露伴『五重塔』、レム・コールハース『錯乱のニューヨーク 』、そして『Boxer: 辰吉丈一郎流発想法』など。どれが一番ファンクかと言われれば、迷わず一番最後。
新装版オイラーの贈物 – 吉田武 https://amzn.to/4gbgy27画家フェルナンド・ボテロのドキュメンタリーは、彼の”豊潤な”創作人生を知る興味深い作品だった。僕はコンテンポラリー・アートが好きだが、この映画でボテロを酷評していた評論家ロザリンド・クラウスとは違って、彼の作品は嫌いではない。音楽も含めてアートや表現というのは、予備知識や他人のうんちくを通してではなく、作品そのものに「体当たり」して作者の意図や感情を想像し、味わうのが楽しい。批評は風化しても、作品とその体験は永遠に残る。
BOTERO – Official U.S. Trailer https://youtu.be/QUw2K2a06T8かなり前に購入したBeats Fit Proのウィングチップ部分が破損していたので自分で修理してみた。音に関係する部分が壊れるのは困るけど、関係ない部分が壊れるのも残念ではある。Redditでは多くのユーザーの不満が噴出していたが、Beatsは元々プロダクトの作りがしっかりしている印象はないから、今更腹が立ったりはしない。Appleで部品交換できるらしいが、このチップの交換だけで今ならそこそこ質の良い新品のNCイヤホンが2つ買える。
How to repair beats fit pro broken wingtip https://youtu.be/zLimn3Jll6g漆黒、つまり漆で塗った光沢のある黒には独特の粋と品がある。僕は茶道には縁がないけれど、漆黒の茶器、特に抹茶を入れておく漆黒の棗(なつめ)は仕事場に飾っておくだけでも背筋が伸びて気持ちが引き締まりそうだ。先日、江戸時代初期に活躍した名工である関宗長が作った大棗をオークションで発見したが、以前楽器の薩摩琵琶が欲しくて物色していた時と同じで、相場がさっぱり分からない(笑)。
黒漆大棗 銘 来道人 文化遺産オンライン https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/518859「成功体験を忘れろ」というフレーズをしばしば耳にするが、大事なのは「自分は何で成功したのか」、つまり何が上手く行って、何が上手く行かなかったのかを冷静に分析しておくことだと思う。そこを軽んじると人間は「自分は全てが分かっていて、何をやっても成功する」と過信して歯車が狂い出す。技術やアイデアで成功した人がコミュニケーションや人たらしの世界で成功するのは大抵は難しく、その逆も然り。
Elon Musk's gesture at Trump rally draws scrutiny – BBC https://www.bbc.com/news/videos/cpdxzjw9p47o新作『Moment of Now (Suchness 5)』ではこれまでのSuchnessの時間感覚や浮遊感に「時間を止める」という要素を取り込んでアイデアを練った。記憶に頼らず、感情も引き出さないでひたすら「今、目の前にあるもの」だけに意識を集中させる。それが習慣的にできるようになったら収穫は大きいと思う。なんて書いているうちに、写真家Lois Greenfieldの「時間の止まったダンス」作品を思い出した。
Epson Print Your Legacy | Lois Greenfield https://youtu.be/B3PSXIwPkXU人間は「オーバーシンプリフィケーション(行き過ぎた単純化)」に弱い。AIに例を挙げてと頼んだら、「貧しいのは怠け者だからだ」「若者はスマホとSNSのことしか考えてない」「移民が我々の仕事を奪う」と、いかにも質(たち)の悪いネットニュースで語られそうなフレーズが出てきた。国際政治学者ブライアン・クラースがこの映像で説明している「金持ちと才能の関係」も、認知バイアスやフェイクニュースの研究者なのに、話を単純化しすぎのような。
なぜ超富裕層だけが裕福になるのか、2つのチャートで暴く(英語) https://youtu.be/_pUxqKqnMlQアメリカでは顧客による「集団訴訟(クラス・アクション)」が頻繁に起こる。僕も「ユーザーのあなた、勝訴した場合は和解金の一部が返金されるので参加して下さい」といった案内を受け取ることがある。先日も不当に料金を請求しているとして通信会社に100ミリオン規模の和解金を求める訴訟があったが、結果振り込まれたのは数ドルだったとか。金額はさておき、泣き寝入りではなく「当事者同士が対峙する」機会を作れる意義は大きい。
Verizon settlement money goes out to customers – CBS News https://www.cbsnews.com/news/verizon-administrative-settlement/本日OE『Moment of Now (Suchness 5)』がリリースされました。従来のSuchness的なアンビエント・サウンドにビートが加わることによって、新たな時間・空間感覚が備わったと思います。各サービスへのリンクは後日トピックのページに掲載しますが、Apple Musicその他のOEページで既に試聴が出来るので、是非聴いてみて下さい。
Let Them Come, Let Them Go (Beat Mix) – Apple Music https://l.tatsuyaoe.com/LetThemComeBeatMixOE曲を作っている時はα波が出ているのか、とてもリラックスできる。作業の調子が出てくると居眠りする位。その反面、メールや事務作業といった「現実仕事」は全く落ち着かないので、極力作業を減らしている。それが最近、もう一つリラックスできる作業を見つけた。それは数学の問題集を解くこと。余計な事を考えず穏やかな気持ちで白紙に向かってペンを持ち、すっと作業に入り込める。問題を解いてお金がもらえるなら言うことないのだけど(笑)。
知っておきたい生産性向上の科学:脳の「アルファ波」と「フロー状態」との関係を説く https://atlassian-teambook.jp/_ct/17691511アインシュタインはアメリカでも驚くほど人気者で、彼の業績や発見がどこまで理解されているのかはさておき、とにかく彼の名前は頻繁に引用される。WIRED元編集長のケヴィン・ケリー曰く、「知性は過大評価されている。アインシュタインとトラを同じケージに入れたら、生き残るのは賢いほうではないのです」。ただ、人々が心配しているのはAIがどこまで知性的になるかよりも、「AIがトラ(=暴力のトリガー)になる日」ではないのかなと。
AIやテクノロジーの発展を愛しながら童心を忘れずに生きる方法 https://wired.jp/article/plaintext-how-to-live-well-love-ai-and-party-like-a-6-year-old/Spotifyに限らずストリーミングサービスの「ブラックボックス」、つまりアルゴリズムとその背後にある運営側の「意図」に長らく不信感を抱く人は多い(リンクはハーパーズに掲載されたスクープ記事)。この手の領域に関心がある日本のジャーナリストや研究者もいなくはないだろうが、音楽評論家やデータサイエンティストが骨太な分析や批評を披露したのは見たことがない。海外のサービスを鵜呑みにしないで監視・リサーチする姿勢がもっとあっていい。
The Ghosts in the Machine, by Liz Pelly https://bit.ly/4jfegBF Spotify’s plot against musicians最近のUS/UKのヒット曲はAメロ、Bメロ位の構成要素はあるにしても、ブリッジ(つなぎ的な展開)が入るものは少ない。まして転調は(ヒット曲の中には)この数十年殆ど見られないらしい。僕は長らく歌モノを作曲していないが、ブリッジや転調こそが歌モノの妙味だと思っている。’80-90年代中盤辺りまでのポップR&Bは、この曲の様に印象的なブリッジが盛り込まれているのも魅力の一つ。それにしてもJY Taylorの健在ぶりにびっくり。
Ladies of Soul 2018 | Ladies Night – JT Taylor https://youtu.be/XxAAqdHRBoE